最近発売された競合他社のアプリをみると、自社が開発したアプリの画面とそっくり!画面デザインを盗まれた!
こんなとき、法的にはどう対処したらいいのでしょうか?
スマホアプリの画面デザインについても,著作権法による保護が及びます。なので、著作権者の許可なく、コピーしたり、そのままデザインを使用することは、著作権法違反になります。
よって、このような場合には、著作権に基づいて,競合他社のアプリの製造・販売の差止めを求めることができます。
問題になるのは、「全く同じではないけど似ている」という場合です。この場合の著作権違反になるかは、いかに両者が似ているか(類似性の程度)によって決まります。しかし、この似ているかどうかは、非常に難しい判断になります。
具体的な事例として、ディー・エヌ・エーが運営する「釣りゲータウン2」が、グリーの運営する「釣り★スタ」を模倣したものであり、著作権が侵害されたとして、グリーがディー・エヌ・エーを訴えたという事件があります。
この事件では、東京地裁は著作権侵害を肯定したのに対し,知財高裁はそのわずか半年後,著作権侵害を否定する判決を下しています。
裁判例から見てもわかる通り、画面デザインの著作権について、どの程度類似すれば著作権侵害となるのかという基準が分かりにくいという面があります。
著作権侵害は,著作物の本質的な特徴部分が利用された場合に限り成立するとされていますが、そもそも本質的な部分とはどこなのか、どこまで類似しているかなど、専門的な判断が求められます。
自社の画面デザインと似たような画面デザインを用いるアプリが販売されている場合には、それが著作権侵害となるのか、専門家に相談することが必要です。