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仮想通貨とポイント(前払式支払手段)との交換は、法律的に問題はないのか?【解説】【2023年9月加筆】
仮想通貨とポイント(前払式手段)との交換
現在では、電子マネーなどが普及しています。また、仮想通貨(ビットコインなど)についても、その存在自体は、日本に浸透してきました。
このような中、電子マネーやおまけでもらうポイント、仮想通貨について、相互に交換するサービスも生まれています。
そこで、今回は、仮想通貨とポイントの交換についての法律について、解説します。
仮想通貨とポイント(おまけポイント)との交換
ビットコインなどの仮想通貨とおまけとして付与されるポイントを交換することは、法律上、問題ないのでしょうか。
おまけとして付与されるポイント自体については、法律上の規制はありません。
資金決済法上の前払式支払手段の該当性
しかし、仮想通貨との交換でポイントを付与するとなると、仮想通貨という対価をもって、ポイントを付与していることになります。
そうなると、そのポイントが、資金決済法上の「前払式支払手段」であると認定される可能性があります。なお、資金決済法上の「前払式支払手段」とは、以下の通りです。
- 金額等の財産的価値が記載または記録されていること(価値情報の保存)
- 金額または数量等に応ずる対価を得て発行される証票等、番号、記号その他の符号であること(対価発行)
- 対価の弁済等に使用されること(権利行使)
仮想通貨で、ポイントと交換するということは、2の「対価発行」を満たすことになるのです。
資金決済法上の前払式支払手段に該当した場合の法律関係については、【資金決済法】ウェブサービスの二次通貨・ポイントに関わる法律「前払式支払手段」を解説。を参照してください。
仮想通貨該当性
仮想通貨⇒ポイント ポイント⇒仮想通貨とで、相互に交換可能な場合には、そのポイントが、仮想通貨に該当する可能性があります。
法律上のの仮想通貨の定義では、仮想通貨と相互に交換できる財産的価値も仮想通貨に該当するとされています。
そうなると、ポイントと仮想通貨が一方向だけではなく、相互に交換可能な場合には、当該ポイント自体が仮想通貨に該当する可能性があるのです。
その場合、当該ポイントと仮想通貨を交換することは仮想通貨交換業に該当するので、注意が必要です。
仮想通貨交換業については「【2018年10月24日加筆】仮想通貨交換業登録申請の現状と審査の流れとは?迅速な回答が重要!」を参照してください。
仮想通貨と前払式支払手段との交換
仮想通貨と引換えに前払式支払手段が発行されることについて、法律上の問題はありません。
しかし、前述ように、仮想通貨と前払式支払手段とが、相互に交換可能な場合には、「前払式支払手段」自体が、「仮想通貨」と認定される可能性あり、この場合には、仮想通貨交換業の登録が必要になります。
ここで注意が必要なのは、前払式支払手段の発行者が、当該前払式支払手段と引換に仮想通貨と交換する場合には、実質的に仮想通貨に交換することによって前払式支払手段の払戻しをするものであって、資金決済法に違反する可能性があります。
【資金決済法】仮想通貨・ポイントは、原則払戻しが禁止~払戻しができる場合とは~
ポイント同士の交換サービスの場合
ポイントサービス同士の交換をする場合の法律については、どうなるのでしょうか。
こちらについては、ポイントサービスの導入方法ごとに注意すべき法律【解説】に詳しく解説しておりますが、概要を見ていきましょう。
ポイントとポイントの交換
おまけポイント同士を交換する場合については、法律上の問題はありません。
前払式支払手段とポイントの交換
利用者がA社から無償で付与を受けたポイントを用いて、B社が発行する前払式支払手段の発行を受ける場合は、A社のポイントは、「前払式支払手段」になるのかという問題です。
A社がポイントを付与するにあたって利用者から対価を得ていなければ、A社がユーザーに付与されるポイント自体に対価性はありません。
よって、B社が発行する前払式支払手段と交換できたとしても、A社のポイントは、「前払式支払手段」にはなりません。
反対に、B社が発行する「前払式支払手段」を用いて、A社からポイントの付与を受ける場合には、A社は、ユーザーに対し、ユーザーからB社が発行する「前払式支払手段」という対価を得て、A社ポイントを付与しています。
よって、A社が付与するポイントは、資金決済法上の「前払式支払手段」に該当することになります。