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クラウドファンディングに必要な法律「投資型、寄付型、購入型」の3つのタイプに気を付ける

クラウドファンディングには3つの類型がある

クラウドファンディング。近年注目を浴びている言葉です。金融庁の資料によると、クラウドファンディングとは、「新規・成長企業と投資家をインターネットサイト上で結びつけ、多数の投資家から少額ずつ資金を集める仕組み」と説明されています。

このクラウドファンディングサービスは、カンブリア宮殿などでも紹介されたREADYFORミュージックセキュリティーズを始め、CAMPFIREなど、続々と出てきています。

このクラウドファンディング事業ですが、出資者に対するリターンの形態により、以下の3つに分類されています。

①投資型

投資型のクラウドファンディングとは、ある案件に対して、出資者が組合契約を締結する等して資金を出資し、これに対して、収益の一部が出資者に分配されるタイプです。つまり、出資者へのリターンは、出資した案件の収益の一部になります。

ミュージックセキュリティーズは、この投資型クラウドファンディングです。

②寄付型

寄付型は、文字通り、ある案件に出資者がお金を出すが、リターンがないタイプです。

JAPANGIVINGなどがこの類型です。

③購入型

ある商品・サービスの購入者を募り、購入者から前払いで集めた代金を元手に実際に商品・サービスを開発し、購入者に完成した商品・サービスを提供されるものです。

CAMPFIRE READYFORなどがこの類型に当たります。

こうみると、投資型が最も資金提供者へのリターンが大きいため魅力的です。そうすると、クラウドファンディングでは投資型が多くなりそうですが、日本では、寄付型あるいは購入型のクラウドファンディングが多いです。これは投資型クラウドファンディングでは、以下のような法規制があるためです。

投資型クラウドファンディングでは、金融商品取引法の適用がある

投資型クラウドファンディングを行うためには、金融商品取引法上の「第二種金融商品取引業」を行う「金融商品取引業者」としての登録が必要です。

この登録を受けるためには、金融商品取引法に定める資本要件や社内体制整備要件を満たす必要があり、ハードルが高いのが実情です。無登録で「第二種金融商品取引業」を行うことは、5年以下の懲役等の刑罰の対象とされています。

投資型クラウドファンディングの規制緩和

もっとも、政府は、クラウドファンディングの促進を目的として、2014年に、投資型クラウドファンディングについて、規制緩和がなされました。

投資者が非上場株式を取得することができるタイプのものを解禁したうえで、プラットフォーム事業者の参入要件等を緩和し、あわせて事業に対するファンド持分を取得するタイプのクラウドファンディングについても、一定の規制緩和を図ったのです。この規制緩和は、2015年5月29日に施行されています。

以上のように、クラウドファンディングは、そのタイプによって、様々な法規制があります。法規制を理解した上で、ビジネスを組み立てましょう!