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中国におけるインターネット広告規制のポイントを解説

インターネット法律

中国のインターネット広告の法律

中国において広告の規制の基本法といえるのが「中華人民共和国広告法」)になります。広告主として特に留意すべきであるのは、第二章における広告内容に関する規制、第五章の各罰則ということになろうかと思います。

また、インターネット広告に関しては「インターネット広告管理暫定施行弁法(2016年9月1日施行)」が、インターネット広告の定義や広告であることの明示義務等を定めています。

その他、広告管理条例等や不正競争防止法、消費者権益保護法、電子商取引法などのその他の法律中の広告規制に関する部分の適用関係及びその内容についても検討の必要があります。

例えば、不正競争防止法8条においては、経営者は、その商品の性能、効能、品質、販売状況、ユーザーの評価、受賞歴等の虚偽や人に誤解を生じさせる宣伝を行うことが禁止され、また、虚偽取引の構成等の方法によって他の事業者の虚偽又は公衆に誤解を生じさせる宣伝を行うことを助けてはならないとされます。

また、消費者権益保護法20条1項においては、虚偽又は誤解を生じさせる宣伝方法の禁止、同法45条において虚偽広告に関連した販売者や推奨者に関する責任等を定めています。さらに、医療広告管理弁法”等の各業種に応じた広告規制に関する法規範についても注意が必要となります。

このように広告規制に関する法規範は多数存在するため、広告・マーケティングの実行にあたっては、個別具体的な法律調査が必要となると考えられます。

特定の用語の厳格な使用禁止

広告法において「国家級」「最高級」「最佳」等の特定の用語(絶対化用語)の使用禁止を規定していることが挙げられます。

当該各用語が示す事実の有無や一般消費者に与える印象・認識と実際の商品・サービスとの客観的な乖離の有無にかかわらず、絶対的にその用語の使用が禁止される点において特徴的といえます。

その他、自己以外の生産者・販売者の商品又はサービスを貶めてはならないことが明示され、これを禁止する規定が置かれています。

虚偽広告の禁止

商品の性能、生産地、品質等や受賞歴等の情報が実際の状況と合致せず、購買行為に実質的な影響を及ぼした場合、偽造又は検証ができない科学研究成果、調査結果、引用文等の情報を使用して証明資料とした場合、商品の使用等の効果を虚構した場合などは、虚偽広告に該当するとして禁止されます。

また、「虚偽又は誤解を招く内容により消費者を欺き、誤導するその他の状況」についても虚偽広告に該当するとして禁止されていますが、当該規定の解釈によってはステルスマーケティングという方式自体が規制の対象となる可能性もあるものと考えられます。

即ち、ステルスマーケティングは中立的第三者を装った商品の評価であるという点において消費者に誤解を与えていると考えれば、その意味で当該規定の禁止する状況に該当する可能性があるとも考えられます。

広告法違反の罰則

虚偽広告に関する罰則

虚偽広告の掲載については、工商行政管理部門による広告掲載の停止や広告主に対し相応の範囲内で影響を払拭することが命じられ、広告費用の3倍以上5倍以下の過料が科されることとなります。

広告費用が計算できない又は明らかに低すぎる場合は、20万元以上100万元以下の過料を科すとされます。

また、2年以内に3度以上の違法行為がある場合又はその他の深刻な情状がある場合には、広告費用の5倍以上10倍以下の過料が科され、広告費用が計算できない又は明らかに低すぎる場合は100万元以上200万元以下の過料を科され、営業許可証を取り上げることができる等とされます。

禁止用語の使用等に関する罰則

「最高級」等の用語の使用禁止違反、たばこ広告の禁止違反、未成年者向けのマスメディア上での医療、医薬品、健康食品、医療機器、化粧品、酒類、美容に関する広告、及び未成年者の心身の健康に悪影響を及ぼすオンラインゲームに関する広告の掲載禁止違反については、広告主に対し、20万元以上100万元以下の過料が科され、情状によっては営業許可証を取り上げることができる等とされます。