人気オンラインゲーム「モンスターハンターフロンティアG」で、プログラムを改変するチート行為をしたとして、奈良県警は4日、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で、奈良県桜井市、通信制大学3年の男(20)を逮捕しました。
報道によると、男性は今年4月、ゲームを有利にすすめられるように改変する「チート行為」をネットオークションを通じて請け負い、愛知県の男性と千葉県の男性のデータにアクセスして、キャラクターを強くするデータ改変をおこなった疑いが持たれているとのことです。
参考記事:「モンハン」でチート行為、容疑で大学生を逮捕 摘発は全国初:産経WEST
オンライゲームのチート行為で逮捕者が出たというのは、全国で初めてのケースです。オンライゲームのチート行為の法的ポイントは、どこにあるのでしょうか?
まず「チート行為」とは、オンラインゲームで、あるユーザが、改造ツールなどを利用して、ゲーム上のパラメータを変化させたり、バグを発生させたりすることです。
このチート行為は、以前から様々な法的問題があるとされてきました。
「チート行為」が横行してしまうと、他のプレイヤーのゲーム進行に影響が出たり、ゲームが適正に行われず、ゲーム全体の魅力が下がってしまう恐れがあります。
参考ブログ:オンラインゲームでの「チート行為」及び「リアルマネートレード」への事業者の対処方法。
以前のブログでも指摘したとおり、チート行為自体を取り締まる法律はありません。ただ、チート行為によって、事業者に損害を与えたりした場合には、損害賠償などの責任が発生するのです。
また、チート行為が、刑事法令に抵触すれば、刑事罰が与えられることになります。
今回は、刑法上の私電磁的記録不正作出・同供用罪という罪で逮捕されました。この犯罪は、簡単にいうと、コンピュータを不正に誤作動させるようなデータを作成し、それをコンピュータに与えることによる成立するものです。
今回は、ゲームのデータにアクセスし、キャラクターを強くするプログラム改変を不正に行っていたということなので、この行為が問題となったのです。
今回のケースは、チート行為の値段を設定して、ネットオークションで千円~1万円で販売(落札者から同ゲームのIDとパスワードを受け取り、チート行為をしていた)していたということなので、被疑者の特定、被疑事実の特定も容易であったため、逮捕に踏み切ったものと見られます。
チート行為をして、ゲームから賞金などを得ると、電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があります。
また、チート行為によって、ゲーム会社が作ったオンラインゲームが破壊されたとして、損害賠償請求をされる恐れがあります。
ユーザーもチート行為は、重大な影響があるということを認識しつつ、事業者側も「チート行為」には厳しい処置をとっていく必要があるのです。
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