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オンラインゲームでの「チート行為」及び「リアルマネートレード」への事業者の対処方法。
オンラインゲームでは、あるユーザが、改造ツールなどを利用して、ゲーム上のパラメータを変化させたり、バグを発生させたりすることがあります。
これを「チート行為」と呼びます。
「チート行為」が横行してしまうと、他のプレイヤーのゲーム進行に影響が出たり、ゲームが適正に行われず、ゲーム全体の魅力が下がってしまう恐れがあります。
このような行為が行われた場合に、事業者としては、どのような措置を取れるのでしょうか?
利用規約違反
事前にチート行為を利用規約で禁止している場合には、チート行為を行ったユーザーに対して、利用規約違反として、利用規約に定めた制裁措置をすることができます。
著作権、著作者人格権侵害
チート行為が、ゲーム自体を改変する場合には、事業者の著作者人格権を侵害する可能性があります。
この点、「ときめきメモリアル」に登場するプレイヤーのパラメータを高数値とすることができるメモリーカードを販売していた業者が、著作者人格権である同一性保持権侵害に当たるとして、損害賠償責任を認めた判例があります(最高裁平成13年2月13日)。
不正競争防止法違反
ゲーム自体に、改変を防止するプログラムがされており、これを回避する機能を有する装置を頒布しているような場合には、不正競争防止法違反になります。
不正競争防止法に違反する場合には、行為の差し止め、損害賠償をすることができます。
不正アクセス禁止法違反
チート行為が、アクセス制限をかけている事業者のサーバにアクセスして行われている場合には、不正アクセス禁止法に違反することになります。
このような行為を行った場合には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。
不法行為に基づく損害賠償請求
チート行為は、ゲーム事業者の業務を妨害していることは明らかです。そこで、チート行為によって、ゲーム事業者が損害を受けている場合には、当該ユーザーに対して、不法行為に基づく損害賠償請求することができます。
リアルマネートレード(RMT)が行われていたら
リアルマネートレード(RMT)とは、ゲーム上のアイテムなどを、現金で売買する行為です。リアルマネートレード自体が、違法といえるかについて、現状の日本の法律では明確な根拠はありません。
リアルマネートレード(RMT)を利用規約で禁止している場合には、利用規約で定めている制裁措置を取ることができることになります。
また、リアルマネートレード(RMT)によって、事業者が運営上の支障により、損害が発生している場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求できるのです。