利用規約が契約内容となるためには、当然ですが利用規約の内容が法律に違反しないことが必要です。
いくら利用規約を掲示して同意ボタンを設けたとしても法律に違反する内容であれば利用規約自体が無効となってしまいます。
そこで、以下のような条項は消費者契約法上、無効となる可能性があります。
また裁判例では、サイト運営者に故意又は重過失が認められる場合における免責条項は、無効になる可能性が高いことに注意が必要です。
利用規約中に自動継続条項を設けることにより、消費者の新たな申込み又は承諾なしに、継続にかかる売買契約が成立するとの仕組みをとる場合があります。
このような自動継続条項は、「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項」に該当し、消費者契約法10条に違反するとされる場合があり注意が必要です。
この点、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、自動継続条項の有効性について概要以下のとおりの整理を行っています。
したがって、事業者側としては、最終的な「購入」の意思表示のボタンの直近に、期間満了前に連絡がない限り引き続き契約が更新されるとみなされる旨の画面や表示を設定することが必要です。
消費者契約法3条1項は、事業者に対して消費者との契約の内容が「明確かつ平易なもの」となるよう配慮する努力義務を課しています。
そこで、利用規約はできるだけサイト利用者にわかりやすく記載する必要があります。
この規定は努力義務であることから、仮に利用規約が難解であったとしても、利用規約に基づく契約が無効になるものではないと考えられます。
しかし、サイト運営者が利用規約に記載された重要な事項について十分な説明を行わず、これにより利用者が取引条件を誤認して契約した場合には、損害賠償が課せられたり、利用規約の有効性が制限されたりする可能性があると考えられています。
また、「消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実……を故意……又は重大な過失によって告げなかった」場合について、消費者が不利益な条項は含まれないと誤信して契約を申し込んだ場合には、契約を取り消すことができると定めています。
そこで利用規約において、サイト利用者に有利な事項だけは強調し、不利益な事項は説明せず難解に規定した場合には、サイト利用者からのキャンセルができる可能性があることに注意が必要です。