化粧品において「アンチエイジング」という言葉は消費者に訴求しやすいこともあり、事業者としては、是非使いたい表現ですよね。
ですが、一般化粧品においては、アンチエイジングという表現を広告に使うことはNGです。
それでは、その代替表現として「エイジングケア」という表現は、どうでしょうか。
「エイジングケア」や「エイジング対策」といっても、いろいろな解釈がありえます。ただ、薬事法で認められている「エイジングケア」の表現には一定のルールがありますので、これから解説していきます。
日本化粧品工業連合会の化粧品等適正広告ガイドラインでは、「エイジングケア」を次のように定義づけています。
エイジングケアとは、加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品等によるケアのことである。
ここでいうエイジングケアとは、あくまで、年齢に応じたケアという表記であることが前提とされています。
エイジングケアといっても、若返り効果があるなどの表現はできないのです。あくまで、現在の肌状態を維持するという表現が前提となります。
しかも、表現としては、化粧品の広告で許されている記載の範囲内であることが必要です。化粧品には、広告で認められている56の効能効果があります。
インターネットで化粧品、健康食品、美容商品を販売するには薬機法(薬事法)に気をつける!
あくまで、この範囲の表現を使い、エイジングケアである旨を記載する必要があり、「エイジングケア」という言葉そのものを効能効果として認めているものではないのです。
よって、仮に「エイジングケア」という言葉を広告文中に使用する場合には、注意書きをつけて、「年齢を重ねた肌にうるおいを与えること」などエイジングケアの意味を付け加える必要があります。
例えば「エイジングケア対策に※」「※エイジングケアとは、年齢を重ねた肌にうるおいを与えることです。」のような形です。
また、効果効能としてエイジングケアを記載する場合には、上記のような制限がありますが、メイクアップ効果としての記載ならOKです。
メイクアップの結果として、エイジングケア効果があるといった表現は許されるのです。
例えば、メイクアップの結果として「化粧くずれを防ぐ」「小じわを目立たなく見せる」「みずみずしい肌に見せる」などの表現は、許されます。
それでは、次に認められる表現を具体的に見ていきたいと思います。
日本化粧品工業連合会の化粧品等適正広告ガイドラインでは、以下のような表現は許されるとしています。
これらの表現は、現状のお肌に対応する効果であることが明示するものです。
そして「肌にうるおいを与える」という、化粧品で認められている表現を使っているので、許されることになるのです。
メイクアップ効果の表現とは、「覆う、隠す、見えにくく」といった表現です。
現状のお肌のしみ、しわなどを「おおう・隠す・見えにくくする」という表現であれば、メイクアップ効果として、エイジングケアという表現は、オッケーになります。
また、「若く見せる」の表現も、メイクアップ効果であることが、しっかりと明示されていれば、OKなのです。
これまでは、認められる表現を見てきましたが、次は、薬機法(旧薬事法)でNGとなる表現をみていきます。
このように、お肌が若返るかのような表現で「エイジングケア」という表現を使うのはNGです。
お肌の老化防止というような表現も認められません。よって、「アンチエイジング」もNGな広告になります。
「加齢によるシワ・たるみの防止、改善」などの表現は、化粧品広告で認められる56の効能効果の範囲には入っていません。
このように、しわ、たるみの防止、改善などの表現は、NGとなります。
「エイジングケア」という表現が、特定の効果があるかの表現になっている広告表現ははNGとなります。
化粧品で「エイジングケア」という表現は、よく使われる表現です。
しかし、気軽に使うことはできず、一定のルールがあります。ルールを守って、訴求力のある「エイジングケア」の表現をしましょう!