IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
グローウィル国際法律事務所
03-6263-0447
10:00~18:00(月~金)

アフィリエイター・ディストリビューターのための法律講座

IT企業のための法律

アフィリエイター・ディストリビューターが注意点とは

アフィリエイター・ディストリビューターとして活動としていくときに、様々な法律的な注意点があります。本日は、そこを解説していきます!

会う時は、勧誘目的告げる

喫茶店や会議室などで、何か商品やサービスを売る場合には、予め勧誘目的を明示することが必要です。

問題となるのは特定商取引法の訪問販売規制です。つまり、会社の営業所以外の場所で契約する場合も訪問販売となります。

例えば、セミナー会場を借りて、そこで契約をする場合や喫茶店で話をして、そこで商談をして販売をする場合も特定商取引法上の訪問販売になります。

また、営業所での販売あっても、電話や郵便、SNSで勧誘目的を明示せずに営業所等に呼び出すアポイントメントセールスも訪問販売となります。

勧誘目的を明示とは、事業者の氏名、勧誘目的、商品の種類を明示し、契約の際には書面を交付しなければいけないという規制があります。

訪問販売規制に違反すると会社自体が業務改善、停止、禁止命令を下される行政罰のほかに、懲役、罰金という刑事罰もあります。

実際に勧誘目的を告げずにアムウェイへの会員登録を勧めたとして、京都府職員の男ら2人を逮捕された事例もあります。十分に注意しましょう!

勧誘するときに言ってはいけない言葉とは

アフィリエイター・ディストリビューターが言ってはいけない言葉があります。

元本保証は絶対ダメ

「元本保証」「利益保証」という言葉は、絶対に言ってはダメです。「これは元本大丈夫ですよ、保証しますよ」や「元本は返ってきます」といった勧誘です。これは出資法違反になるからです。

出資法違反は5年以下の懲役、000万円以下の罰金となっているので、これは絶対にNGです。「こういった事を言っている動画を撮られてしまっている」「メールで言っている」といった証拠が出てしまうと、それだけで有罪になるケースもあるので、十分注意してください。

「絶対儲かる」もNG

「絶対儲かる」、「利益が出る」という文言も注意が必要です。これは消費者契約法や特定商取引法の不実の告知となります。特定商取引法の不実告知は、3年以下の懲役、300万円以下の罰金になります。

消費者契約法違反は民事上の問題ではあります。ただし不実の告知や、「必ず儲かるよ」「年利〇〇%」という様な断定的判断の提供に該当すると、顧客は契約を無条件に取り消せます

事業者は返金をしなければいけなくなります。消費者生活センターや消費者庁もこの事情を把握をしており、あまりにひどい事案だと業務停止、公表という場合もあるので、こういった表現はしないという事が重要です。

紹介者の責任を追及される可能性も

アフィリエイター・ディストリビューターは、いわゆる代理店的な立ち位置で、顧客との間では、直接の契約にないことが多いです。

しかし、直接の契約関係はなくても、顧客に対して責任を負う場合があります。それが、「紹介者の責任」です。

この件は裁判例も多く出ており、紹介者がやらなければいけない事としては、次の2つの義務があるとされています。

  1. 勧誘する投資案件の調査・確認をきちんとする
  2. 投資案件の具体的なリスクを説明する

この2つを怠ると、アフィリエイター・ディストリビューターも責任を負うことがあります。

①については、勧める投資案件がどういったものなのかという事をきちんと確認しているかという点です。

自分もよく分からないけれど、何か儲かるって友達に言われたから他の友達にも勧めるではダメなわけです。どういう仕組みで、どういう事なのか、きちんと裏付けがあるのかというところをきちんと確認をして下さい。

②については、きちんとリスクや損害を被る可能性について説明をするという事です。

①②については、きちんと行っていなければ、アフィリエイター・ディストリビューターも責任を負う事になります。

説明をする場合にも口頭で言ったとなると、言った、言わないという話になってしまうので、チャットでもメールでも良いので、こういうリスクがあるという事をきちんと説明し、それを残しておくという事が大事かと思います。

アフィリエイター・ディストリビューターが訴えられているケースも増えている

最近、アフィリエイター・ディストリビューターが訴えられているケースが増えています。投資案件を紹介したが、投資案件自体がうまくいかなくなった、運営会社がとん挫したなどです。

そしてその矛先が、アフィリエイター・ディストリビューターに来ているのです。訴えられたとしても、アフィリエイター・ディストリビューターが責任を負うとは限りません。

裁判所から訴状が来ると動揺してしまうと思いますが、一旦冷静に対処し、弁護士に相談するなどしましょう!