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インターネット広告契約でアドフラウド対策を解説

IT企業のための法律

アドフラウドとは

アドフラウドとは、自動化プログラム (bot) などによって実際のユーザー によるものでないインプレッションやクリックを発生させ、広告主から不当に広告収入を得る悪質な行為のことをいいます。

アドフラウドに対する契約条項

広告主としては、広告代理店との契約、あるいはDSP事業者等広告仲介事業者との間の契約において、契約条項を個別に交渉可能である場合には、アドフラウドに関連した手当条項を盛り込むことが検討する必要があります。

具体的には、次のようなものを規定するといいでしょう。

  • 広告代理店、広告仲介業者のアドフラウド防止のための監視義務
  • アドフラウドによる広告は、課金対象から除外
  • アドフラウドが発生した場合の広告配信先の情報及び、課金対象から除外された広告数等の情報の開示義務

広告代理店を起用したインターネット広告出稿を行う場合には、広告代理店との契約の中で、 アドフラウドへの対策について規定すると良いでしょう。

インターネット広告においては、広告主自身が直接広告メディアに広告出稿を行うことを可能とするプラットフォームも用意されています。

このような場合に、広告主とそれらプラットフォームを提供する事業者との間の契約は、アカウント作成時にプラットフォーム事業者の用意した利用規約への同意という形で締結されることが通常といえます。

このような場合を含めて、その他DSP事業との契約についても契約内容の個別的な交渉・修正等が難しい場合もあります。

そのように、契約条項での対策が難しい場合には、広告出稿を検討するプラットフォーム事業者やDSP事業者等広告仲介事業者においてアドフラウドに対するどのような対策が行われていて、アドフラウドと認定された場合の、 報告・開示情報の有無や程度、該当分の返金対応の有無や方式を確認し、合理的な対応がなされているプラットフォーム事業者のプラットフォームや広 告仲介事業者等を起用することが重要となるでしょう。

アドフラウドへの対策

アドベリフィケーション事業者と連携する等してアドフラウド対策も盛り 込んだアドベリフィケーションツールを導入しているDSP事業者等もあります。

アドベリフィケーションツールとは、アドフラウドの回避、ブランドセー フティの確保、ビューアビリティの検証等を目的とした広告配信を検証、コントロールするツールのことをいいます。

アドフラウド対策を含んだアドベリフィケーション事業者と連携する等し てアドフラウド対策を行っているDSP事業者を選定することは、アドフラウ ドによる損失回避の一つの対策といえます。

また、コンテンツの質が担保された優良媒体のみに対する広告出稿の仕組みであるPMP(プライベート・マーケット・プレイス) の活用も一つのアドフラウド対策となると考えられます。

理屈上は、アドフラウドが発生している媒体に対し広告を出稿し続けるなど監視上の過失があれば広告代理店、DSP事業者、プラットフォーム事業者、アドフラウドを行った媒体運営者等に対して、損害賠償を請求できる可能性があります。

ただし、各請求の前提として、そもそもアドフラウドであることの情報・ データ、 アドフラウドを行った媒体運営者情報の取得等が必要となると考えられますが、広告主・広告代理店に対するアンケートでは、アドフラウドに関する情報開示が十分でないとの回答も少なくなく、開示される情報が少ない実態が明らかとなっています。

このような現状においては、事後的な賠償請求という手段については難しい部分もあると言わざるを得ないところです。