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IT弁護士が解説!3Dプリンタ技術の進歩で、どういう法律的な問題が起こる?

3Dプリンタ技術の進歩で法律問題が浮上
私たちの生活を便利してくれる3Dプリンタ。データさえ送れば、それとそっくりな立体物を作成できるとして、様々な活用が進んでいますね。
しかし、3Dプリンタの拡がりに伴って、様々な法律問題も浮上してきています。
キャラクターや有名人を活用した場合の知的財産権と肖像権の問題
例えば、マンガやアニメのキャラクターを3Dプリンタで作成する場合には、著作権などの問題が出てきます。
一般的に、マンガやアニメに出てきたキャラクターは、「著作物」といえ、その作成者には「著作権」が発生しています。
よって、このようなキャラクターのデータを入手して、著作権者に無断で3Dプリンタでキャラクターの立体物を作ろうとすると、著作権を侵害する可能性があります。
また、ロゴなどで、商標登録されているものを3Dプリンタで作成して、その商標と同一サービスに使用するした場合などには、商標権侵害にもなりえるのです。
もし、このような知的財産権を侵害した場合には、以下のようなものが課せられる可能性もあります。
- 権利者からの損害賠償請求
- 刑事罰
特に、刑事罰については、著作権侵害の場合、現在は親告罪とされていて、権利者が告訴しない限りは、罰せられないことになっていますが、これが、今後は非親告罪になる可能性があります。
もちろん、3Dプリンタで複製しても、自宅で自分だけの観賞用で楽しむだけであれば「私的利用」として、著作権法上も問題ありません。
ただ、その3Dプリンタで複製したものを、SNSでアップするなどした場合には、著作権侵害になる可能性あります。
また、実在する芸能人や著名人などの容貌を3Dプリンタで作成し、公表した場合には、肖像権の他にパブリシティ権を侵害する可能性があります。
肖像権とは、自分の容ぼうや姿態を勝手に撮影、公表されない権利です。
パブリシティ権とは、芸能人などがその存在から生じる顧客吸引力を独占する権利です。
芸能人・著名人の姿を3Dプリンタで複製し、それを公表または自社のサービスで利用した場合には、肖像権侵害やパブリシティ権侵害につながるのです。
興味本位で作ってはいけないものもある
また、3Dプリンタで興味本位で作成してはいけないものもあります。
2014年4月には、3Dプリンタで製造された銃を所持したとして、男性が銃刀法違反の疑いで逮捕され、懲役2年の実刑判決が下されました。
3Dプリンター銃で懲役2年=「模倣容易で悪質」製造の男に―横浜地裁
通貨や印鑑を作ってはダメ
また、通貨や印鑑を作ることも犯罪です。
通貨を作ってしまうと通貨偽造罪になり、無期懲役または3年以下の懲役。
また、印鑑を作ってしまうと、私印偽造罪という犯罪になって、3年以下の懲役
になります。
このような危険性も鑑みて、法律違反のものを複製することを防止するためのプログラムも開発されています。
3Dプリンターでの危険物製造や著作権侵害を抑えるセキュリティプログラム開発
最新技術だからこそ、法的には注意が必要
以上のように、3Dプリンタは、本物と同一のものが作成できるもので、様々な可能性があります。
それと同時に、既存の法律と抵触することも可能性があります。
知らない間に、法律違反していたなんてことにはならないように、きちんとルールを守りましょう!