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健康食品や化粧品の広告については、薬機法(旧薬事法)で、その文言などが厳しく制約されています。
そんな中、自社の商品について、医師などの権威ある人からの推薦文をもらえると、非常に効果があると考えると思います。そこで、薬機法(旧薬事法)上、医師などの推薦文を記載することができるのでしょうか。
健康食品や化粧品の広告規制する医薬品等適正広告基準というものがあり、その中の【10 医薬関係者等の推せん】には、次のように記載されています。
医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告は行わないものとする。
つまり、医師・病院や美容師などが、当該商品について「推薦します」などという記載を広告に載せてはいけないということなのです。
これは、医師などの権威ある人物が推薦する商品となると、無条件に良い物と一般消費者は思ってしまい、影響力が大きくなってしまうので、例え推薦していることが事実であっても、記載することができないとされているのです。
なお、推薦の事実すら虚偽だった場合には、上記に加えて、虚偽広告として薬機法(旧薬事法)違反や景品表示の優良誤認となります。
上記のように、医師・病院や美容師などが、当該商品について「推薦します」などという記載を広告に載せてはいけないということになります。
例えば、以下のような表現は、NGです。
これに対し「医師である私が開発!」「(医師が)この会社は、信頼できます!」などは、商品については、推薦等していないのでOKとなります。
医師が推薦文を載せるのは、上記のように厳しい制約があります。では、医師の象徴である白衣を載せるのはどうなのでしょうか。
この点、日本化粧品工業連合会が出している「化粧品等の適正広告ガイドライン」では、規定をしています。
医師等のスタイル(白衣等)の人が、化粧品等の広告中に登場すること自体は直ちに医薬関係者の推せんに該当するわけではないが、医師等のスタイルの人が製品の効能効果や安全性に関して、指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告表現は、その内容が事実であっても原則として行わないこと。
つまり、白衣を着た医師を広告ページに登場させること自体は、問題ありません。
よって、医師等の白衣のある人を登場させて、商品自体を推薦しない記載をすれば、OKということになります。
では、医師でない人に、白衣を着させて登場させるのは、どうなのでしょうか。この場合には、法律やガイドラインにも記載がありません。よって、特に禁止はされていないといえるでしょう。
ただし、白衣を着た人物が商品を推薦したとなると、一般人が誤認をする恐れがあることから、商品の推薦などの記載は行わない方がよいでしょう。
以上のように、健康食品や化粧品などで、医師・白衣を着た人物を登場させること自体は問題になりません。
ただ、そのような人物の商品推薦を記載してしまうと問題になります。事業者は、この点を踏まえて、広告を記載する必要があります。
薬機法については「インターネットで化粧品、健康食品、美容商品を販売するには薬機法(薬事法)に気をつける!」で、細かく解説をしていますので、ご参照ください。