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再生医療製品における薬機法の承認要件とは【解説】

再生医療が注目されています。その中で、再生医療関する製品について、法律上の規定について、解説します。
再生医療等製品とは
再生医療等製品とは、法律上は、次の(1)(2)に掲げる物であって、政令で定めるものをいうとされています。
- 次に掲げる医療または獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人または動物の細胞に培養その他の加工を施したもの
- 人または動物の身体の構造または機能の再建、修復または形成
- 人または動物の疾病の治療または予防
- 人または動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物のうち、人または動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの
再生医療等製品の特徴
再生医療等製品は、革新的な医療として実用化に向けた国民の期待が高く、いまだ満たされていない医療ニーズに対応することが期待されています。
再生医療等製品の治験・審査に関しては、次のような特徴があります。
- 治験に登録できる患者数に制限が生じる
- 医薬品における治験で実施されるような、対照群を置いた比較試験が難しい
- 原材料の細胞の品質が不均一であることにより、評価が困難である
したがって、従来の医薬品に関する規制をそのまま適用した場合、再生医療等製品に関する治験および審査が長期化するリスクがあります。
このような再生医療等製品の特徴をふまえて、再生医療等製品については、条件および期限付承認の制度が設けられています。
条件付承認制度については、後ほど、解説します。
製造販売承認の要件
再生医療等製品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければなりません。
製造販売承認がなければ、製造販売をすることができない点は、医薬品と同一です。
また、製造販売業者が次のいずれかの事由に該当するときは、製造販売承認は、付与されないことになっています。
- 申請者が、再生医療等製品の製造販売業の許可を受けていないとき
- 申請に係る再生医療等製品の名称、構成細胞、導入遺伝子、構造、用法、用量、使用方法、効能、効果、性能、副作用その他の品質、有効性および安全性に関する事項の審査の結果、その物が次のiからⅢまでのいずれかに該当するとき
- 申請に係る効能、効果または性能を有すると認められないとき
- 申請に係る効能、効果または性能に比して著しく有害な作用を有することにより、再生医療等製品として使用価値がないと認められるとき
- (1)または(2)に掲げる場合のほか、再生医療等製品として不適当なものとして厚生労働省令で定める場合に該当するとき
- 申請に係る再生医療等製品の製造所における製造管理または品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していると認められないとき
再生医療品の条件および期限付承認
再生医療等製品の製造販売承認の申請者が、製造販売をしようとする物が、次の(1)~(3)のいずれにも該当する再生医療等製品である場合には、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その適正な使用の確保のために必要な条件および7年を超えない範囲内の期限を付してその品目に係る製造販売承認を与えることができるとされれいます。
- 申請に係る再生医療等製品が均質でないこと
- 申請に係る効能、効果または性能を有すると推定されるものであること
- 申請に係る効能、効果または性能に比して著しく有害な作用を有することにより再生医療等製品として使用価値がないと推定されるものでないこと
再生医療等製品の特徴をふまえて、製造販売をしようとする物について、有効性が推定され、安全性が確認されれば、条件および期限付きで製造販売承認が付与されることを認めたものです。
この制度により、再生医療等製品が早期に販売されることが期待されています。
条件および期限付承認を受けた者は、その品目について、当該承認の期限内に、改めて製造販売承認の申請をしなければなりません。
また、厚生労働大臣は、当該条件および期限付承認後に行う再度の申請に係る再生医療等製品の名称、構成細胞、導入遺伝子、構造、用法、用量、使用方法、効能、効果、性能、副作用その他の品質、有効性および安全性に関する事項の審査を適正に行うため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、条件および期限付承認に係る期限を、3年を超えない範囲内において延長することができます。
この場合、延長後の期限内に、改めて製造販売承認の申請をする必要があります。