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プロジェクションマッピングをする際の法律的な注意点について【2019年12月加筆】

プロジェクションマッピングの法律問題とは
プロジェクションマッピングとは、実物<リアル>と映像<バーチャル>をシンクロさせる映像手法です。実際の建物などに、映像を映し出すことが、よく行われています。
2012年には、東京駅のプロジェクションマッピングが、大きな話題になりました。
リニューアルした東京駅丸の内駅舎でプロジェクションマッピング!
また、現在、たくさんのプロジェクションマッピングが行われています。
プロジェクションマッピングは、屋外屋内を問わずに行われます。
屋内のプロジェクションマッピングについては、さほど法律的には問題となりませんが、屋外のプロジェクションマッピングには一定程度の配慮が必要です。
例えば、東京都板橋区では、屋外広告物の表示等に関する配慮事項について証明光の項目があり、プロジェクションマッピングは、「動きのある大きな映像を移すことが可能となるため、周辺景観に配慮して企業や商品の宣伝のような映像は避ける。」また「安全面や住環境に依拠与えないように配慮する」と明記されています。
その他、屋外の建物へのプロジェクションマッピングの方法内容については、各地域における規制もあることから、十分に注意する必要があります。
またプロジェクションマッピングは、たくさんの観客が集まることが予想され、その安全対策をすることが必要になります。
大規模イベントでは交通規制等も必要になる場合もあるため、都道府県公安委員会や所轄の警察署に相談したり、警備員の確保や近隣住民への説明などを行う必要があります。
プロジェクションマッピング映像と著作権
プロジェクションマッピングの映像は、オリジナリティを持つコンテンツであり、動きのあるものです。
プロジェクションマッピングの映像は、法律上は、「映画の著作物」に該当するものと思われます。
映画の著作物の場合、誰に権利があるかと言うと、映像の全体的な形成に創作的に寄与した者です。
例えば、映像の制作プロデューサーや撮影監督等が著作権者になります。
また音楽などを使用する場合については、その音楽については、作詞作曲をしたものなどが、その音楽を制作したものが、著作権者になります。
そうすると、著作権者が多数にのぼることが考えられるので、その権利処理をすることが必要になります。
つまり、そのプロジェクションマッピング映像を、今後も使いたいと言う場合については、多数の著作権者の同意が必要になってしまいます。
そこで、そのような著作権者から著作権譲渡や著作者人格権の放棄等の約束を取り付け、契約をしておく必要があるのです。
プロジェクションマッピングの映像を利用するときの注意点
上記のようにプロジェクションマッピング映像については映画の著作物として、著作権法上保護されます。よって著作権者の許可無く、プロジェクションマッピング映像を利用することができません。
ここで著作権の例外規定に当たるかどうかですが、著作権法46条では、以下のようにされています。
屋外の場所に恒常的に設置されている著作物は、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる
しかし、プロジェクションマッピングは、屋外の場所に恒常的に設置されているものではないため、これには該当しません。
また、著作権法38条1項では、公表された著作物について非営利での上映を許可する例外規定があります。しかし、この規定はインターネット上での配信などを認めていません。
よって、SNSなどで、プロジェクションマッピング映像が勝手に流した場合には、著作権違反になります。
以上により、事業者は、どこまで、プロジェクションマッピングの映像拡散を許すのかを決める必要があります。
SNS等で拡散することによって、認知が広がるという側面があるので、事業者としては、難しい判断を迫られることになるでしょう。