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ノーコード・ローコードサービスで、法律的に気を付けるべきこと

IT企業のための法律

ノーコードサービスとは

ノーコードサービスとは、自らソースコードを記述することなくアプリなどのソフトウェアの開発やWebサイトの構築を可能とするサービスをいいます。

一般的に、アプリ等を開発するには、ソースコードを記述して開発する必要がありますが、ノーコードサービスではユーザーはソースコードを記述する必要はありません。

例えば、スプレッドシートを使用したり、元々用意されているパーツをドラッグ&ドロップするだけでアプリを制作することが可能です。そのため、プログラミング言語などのITスキルや知識を持たない非エンジニアでも、アプリ等の開発が可能です。

ただ、デメリットとして、基本的に元々のツール上に置かれた機能に各システムの仕様を載せていくイメージなので、逆に言えばツールにない機能を実装することはできません。

また、使用したプラットフォームに依存しますので、デザインやセキュリティ等についてそのプラットフォームによる制限があります。

ノーコードサービス等を用いたサブスクリプションサービス

これらを用いたサブスクリプションサービスとしては、ノーコードサービスやローコードサービスで開発可能な開発ツールを月額課金制でユーザーに提供するというものが考えられます。

代表的なサービスとしては、ノーコードサービスについてはGoogle社が提供する「Glide」、「bubble」ローコードサービスについては、Microsoft社が提供する「MicrosoftPowerApps」が存在します。

また、両方のサービスを提供するものとして、サイボウズ株式会社の「kintone」が存在します。

法律的注意点

(1)知的財産権の帰属

ノーコードサービス等を利用する場合に最初に想定される問題としては、完成したアプリ等の著作権等の知的財産権を事業者側とユーザー側のどちらに帰属させるかという問題があります。

この点については、例えば、社内の業務システムとして使う分には、制作したアプリの使用権限さえ認められていれば大きな問題はないのですが、アプリストア等での商用販売を考えられている場合には、当該ノーコードサービス等の利用規約等で、当該サービスで制作されたアプリの知的財産権の帰属が事業者側とユーザー側のどちらにあるかを事前に確認する必要があります。

帰属が事業者側の場合、せっかく月額料金を支払って制作したアプリを販売できないこととなり得ますので注意しましょう。

(2)事業者がサービスを停止した場合

ノーコードサービス等は、アプリ等を制作するためにそのサービスのプラットフォームにおける機能を利用する権利を販売するサービスです。

そのため、当該サービスが終了した場合、そのプラットフォーム上に構築された社内の業務システムは利用できない状態に陥ります。

サービスによっては、サービスが終了した場合でも、プラットフォームを無償で誰でも自由に改良・活用ができるオープンソース化すると意思表明しているものもあります。

しかし、事業者側にはこのようなサービス終了に当たってユーザーに配慮する義務は通常はなく、上記のような定めが利用規約等にない限り、サービス終了の翌日から業務システムを使えないこととなり得ます。

したがって、特に社内の業務システムの制作にノーコードサービス等を使う場合には、サービス終了時のサポートがどうなっているかをしっかりと確認する必要があります。