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IoT通信ネットワークに関する2つの法律【電波法・電気通信事業法】を解説

IT企業のための法律

IoT事業において、通信ネットワークに関しての法律的規制

IOT事業については、通信ネットワークを使用する場面が多いです。

そこで、今回は、IOT事業における通信ネットワークの法律について、解説します。

電波法の規制

デバイスとアプリケーションを接続するIoT通信ネットワークの構築の際には、電波法の規制を受け、電気通信事業法の規制対象となります。

免許・登録制度

原則、無線局開設には総務大臣の免許または登録が必要とされていますが、例外的に、微弱無線局、小電力無線局および特定小電力無線局は、免許・登録が不要とされています。

例えば、IOT技術が搭載されたスマートホームサービスにおいては、特定小電力無線局が多く活用されます。

IoTの分野で活用が広まっているLPWAも、使用される規格によるものの、この特定小電力無線局の枠組みで使用可能とされている製品が多いです。

特定無線設備については、事前に基準認証を受け、総務省令で定める表示(技適マーク)が付されている場合、免許不要措置、包括免許の取得、免許手続時の検査省略等の特例措置が受けられます。

スマートホームサービスで多用される特定小電力無線局も、免許・登録不要とされるためには、技適マークのある無線設備の利用が必須です。

無線設備に関する基準認証制度は、以下が必要となります。

  1. 技術基準適合証明
  2. 工事設計認証
  3. 技術基準適合の自己確認

詳細は「総務省「電気通信機器基準認証制度マニュアル(2004年春版)」」を参照してください。

電気通信事業法の規制

登録・届出制度

電波法上、免許・登録が不要な無線局を使用する場合であっても、電気通信事業法上の登録・届出が必要になる場合もなります。

電気通信事業法上、電気通信事業を営もうとする著は、例外事項に該当する場合を除き、総務大臣の登録を受けなければならないとされます。

登録または届出の必要性の判断は、ビジネスの内容に応じての個別判断となるので、慎重に検討し、必要に応じて、総合通信局等の担当課に照会するなどの対応です。

端末設備の技術基準と基準認証制度

デバイスをネットワーク接続するには端末設備の技術基準を充たす必要があります。

この技術基準は、電気通信事業者の設備に接続する契約をした利用者に課せられ、原則的には、利用者が電気通信事業者による接続の検査を受けなりません。

ただし、技適マークが付された機器を接続する場合には、利用者は、電気通信事業者による接続の検査を受けることなくネットワークに接続し使用することができるとされています。

このため、利用者に接続検査を求めるのは現実ではありません。そのため、IOT事業者は、技適マークの取得が必須です。

IOT事業の通信ネットワークに関する法律には、注意が必要

以上のように、通信ネットワークに関する法律には、注意が必要になります。

IOT事業者は、初期投資もかかり、サービスをリリース後に、法律違反がありましたというのは、シャレになりません。法律には、十分注意するようにしましょう!