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ICOや仮想通貨案件をアフィリエイトする行為は、日本の法律では、どうなのでしょうか?アフィリエイトしたアフィリエイターは、何か法律で処罰されたりするのでしょうか?
今回は、日本で、ICO・仮想通貨のアフィリエイトする行為について、解説していきます。
ここで、問題となる可能性があるのは、仮想通貨法(改正資金決済法)です。
仮想通貨法には「仮想通貨交換業」という項目があります。
この「仮想通貨交換業」に該当すると、金融庁からの登録がないとすることができません。
仮想通貨法では、「仮想通貨交換業」とは、以下の行為と定義されています。
この法律において「仮想通貨交換業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
そして、どのような行為が、「業として行う」といえるのかは、金融庁のガイドラインに記載されています。
「業として行うこと」とは、「対公衆性」のある行為で「反復継続性」をもって行うことをいうものと解されるが、具体的な行為が「対公衆性」や「反復継続性」を有するものであるか否かについては、個別事例ごとに実態に即して実質的に判断するべきである。
「反復継続性」については、何回すれば該当するかは、ケースバイケースの判断になるものと思われますが、複数回行えば、この要件は満たすものと考えられています。
また、仮想通貨法では、外国の仮想通貨事業者の日本居住者に対する勧誘行為を禁止しています。
仮想通貨交換業登録を受けていない外国仮想通貨交換業者は、国内にある者に対して、第二条第七項各号(注:上記仮想通貨交換業の行為)に掲げる行為の勧誘をしてはならない。
どのような行為が、「勧誘」に該当するかですが、金融庁のガイドラインでは、以下のように記載があります。
外国仮想通貨交換業者がホームページ等に仮想通貨交換業に係る取引に関する広告等を掲載する行為については、原則として、「勧誘」行為に該当する。
つまり、ホームページやウェブサイトで、ICOや仮想通貨案件の情報を載せることは、「勧誘行為」になり、禁止がされているのです。
もっとも、禁止がされている主体は、「外国仮想通貨交換業者」です。
よって、日本居住者が、上記のような行為をすることを禁止しているわけではありません。
そこで、問題となるのは、ICO・仮想通貨のアフィリエイトが、仮想通貨交換業に該当するかどうかです。
アフィリエイト行為は、仮想通貨交換業にいう「(2)前号(注:仮想通貨の売買又は交換)に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理」に当たるのでしょうか。
この点、「媒介」とは、仮想通貨の取引所などが代表例です。
参考記事:仮想通貨などのFintechで規制の対象となる「媒介」を Fintechに強い弁護士が解説
また、「代理」とは、顧客からお金を預かって、代わりに仮想通貨を買うというような購入代行がこれに当たります。
問題になるのは、「取次」です。「取次」というのが、具体的に、どのような行為を指すのかは、明確ではありません。
いわゆる、顧客と仮想通貨を売る人間を紹介するような、ブローカーのような行為は、この「取次」に当たると思われます。
では、ICO・仮想通貨のアフィリエイトが、この「取次」に当たるのかというと、グレーであると言わざるを得ません。
アフィリエイト行為は、ICO・仮想通貨案件の紹介なので、やり方・解釈次第では、該当する可能性もあります。
日本におけるICO・仮想通貨のアフィリエイトについて、金融庁は明確な見解を示していません。
また、日本におけるICO・仮想通貨のアフィリエイト行為に関して、金融庁が摘発した事例も、現状(2021年8月現在)ありません。
しかし、法律上、不明確な部分がある以上は、金融庁としても、いつ指導するかは分かりません。
ICO・仮想通貨のアフィリエイトについては、最新の情報をチェックするようにしましょう。