IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
グローウィル国際法律事務所
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facebookの「匿名」投稿に対して、発信者情報を開示するときのポイント

Facebookに投稿された文書を特定せよ

皆様ご存知「Facebook」に投稿された文章。その投稿者が誰なのか、
Facebook社に情報を開示させる「仮処分命令」が、東京地裁で出されました。
Facebook社に対する開示命令は、日本初の判断です!

問題となったのは、首都圏のある店舗のFacebookページに、「キチガイ」など、店舗で働く人に対する「誹謗中傷」といえる表現が含まれていました。
Facebookは「実名制」を原則としていますが、この書き込みをしたアカウントの名前は、本名とは考えられない不審なものだったのです。

投稿者のIPアドレスやログイン日時などを開示

今回Facebook社に、出されたのは投稿した人のIPアドレスなどの情報開示を求める仮処分命令
仮処分とは、本裁判に比べて簡易・迅速な手続で、裁判所が「仮の判断」を下すという手続のこと。
この判断が下されれば、事業者側は
情報を開示することになります。

ここで疑問なのが、Facebookなどの海外企業に裁判を起こす場合、日本の裁判所で裁判が出来るのか?という点。

Facebookの利用規約によると、日本国内のユーザーは、欧州アイルランドにある「Facebook Ireland Limited」と契約を結んでいることになっています(知ってました?)
海外企業に裁判を起こす場合、通常はその国の裁判所に訴えるのが原則です。
しかし、日本で事業展開する企業が相手のときは、東京地裁に提訴できるという特別ルールがあるので、Facebook社の場合は、日本で裁判をすることが出来るのです!

 次のステップは、投稿した個人情報の開示

東京地裁の仮処分命令を受け、Facebook社からは今後、投稿した人のIPアドレスやログイン日時などが開示されることになります。次のステップは、フェイスブック社から開示された情報をもとに、プロバイダに対して投稿した人の個人情報(氏名・住所等)の開示を要求すること。
こうして、プロバイダから接続者情報が開示されれば、匿名で書き込みをしたのが誰なのか、把握できることになります。

SNSに匿名アカウントをつくって、中傷的な書き込みをする人はあとをたちません。
ですが、ネットの世界に完全な『匿名性』はないのです!