2015年12月22日、金融審議会の作業部会は、金融グループによる出資規制の緩和に関する報告書をまとめました。
その中で、銀行などがIT企業など一般事業会社へ出資する際の制限の緩和を盛り込む内容が記載されています。
現在の銀行法では、銀行が一般企業に出資する際には、その出資比率は、5%まで(金融持ち株会社は15%まで)と規定されていました。
今回の報告書では、金融庁が金融サービスの向上につながると判断した場合は、上記出資比率を緩和するという内容が盛り込まれています。金融庁は、2016年の通常国会に、上記内容の銀行法改正案を提出する方針ということです。
このような法改正の背景には、欧米でのFinTech企業の台頭が挙げられます。欧米では、銀行のIT企業への出資が盛んで、銀行とIT企業との間での協業も活発に行われています。
しかし、日本では、銀行の出資規制があったため、銀行とIT企業の連携が進まず、FinTech分野で、欧米から遅れをとるのではないかと危惧されていました。そこで、今回の規制緩和になったというわけです。
今回の報告書の内容で、法改正がされれば、FinTech企業を含めたIT企業にとって、資金調達や出口戦略の選択肢が広がります。
銀行の信用力とFinTech企業のアイデアを組み合わせた画期的なサービスも出来上がる可能性があります。
IT企業、とくにFinTech企業にとって、2016年は追い風の一年になるかもしれません。