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弁護士が解説!ファンド型クラウドファンディングの運営に必要な法的ポイント【2023年2月加筆】

インターネット法律

ファンド型クラウドファンディングを行う場合の法的注意点とは?

クラウドファンディングとは、主にインターネットを通じて、不特定多数の者から資金調達する手法をいいます。クラウドファンディングには、様々な種類がありますが、その中の一つとして、ファンド型クラウドファンディングというものがあります。

これは、あるプロジェクトに対して、不特定多数の者から資金を集め、その資金によりプロジェクトが実施され、そのプロジェクトの利益が、投資家に分配されるという仕組みです。
ミュージックセキュリティが運営している「セキュリテ」などが、有名です。

このファンド型クラウドファンディングを運営する場合に、どのような法的ポイントがあるのでしょうか?

クラウドファンディング業者に対する開示規制

金融商品取引法では、株式などの「有価証券」について、投資するように「募集(勧誘)」を行う場合には、有価証券届出書の提出、目論見書の作成などの手続きが必要とされています。もっとも、主として有価証券に投資するもの以外は、この開示規制の対象外となっています。

あるプロジェクトに投資するように募集(勧誘)をする行為は、上記の開示規制の対象にはならず、現在のファンド型クラウドファンディングの多くは、このような形態になっています。

資金を集めた側にも、規制の可能性も

資金集めた側も、集めた金額を何に使うかによって、法規制が異なります。

集めた資金を株式などの有価証券(社債やファンド持分なども含む)に投資する場合には、金融商品取引法が適用されます。

また、集めた資金をもとに、不動産の売買、交換又は賃貸借を行う場合には、不動産特定共同事業法に基づく規制が生じます。不動産特定共同事業者としての許可を受けることが必要となり、不動産特定共同事業法に基づく規制が適用されることになります。

もっとも、ある製品やコンテンツなどの制作販売などのプロジェクトにお金を使う場合には、上記の規制は適用されません。

クラウドファンディング業者に対する規制

有価証券の募集に関して、発行者のために、勧誘行為を行うことは、「金融商品取引業」に当たり、金融商品取引法の規制が及びます。

ファンド型クラウドファンディングにおいては、インターネット上のプラットフォームでサービスを提供することになりますが、この場合でも、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業の登録が必要になります。

また、2014年の法改正で、インターネットを使ったファンド型クラウドファンディング業者については、電子募集取扱業務に関する規制が追加されました。具体的には、業務管理体制の整備やウェブサイトでの情報提供などが義務付けられています。

ファンド型クラウドファンディング業者については、上記のような金融商品取引法上の規制に加えて、第二種金融商品取引業協会の定める自主規制である電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則も遵守する必要があります。

ルールが多いファンド型クラウドファンディング

以上のように、ファンド型クラウドファンディングを行う場合には、遵守するべきルールがたくさんあります。金融関係の法律は、様々な規制がありますので、事前に検討するようにしましょう!