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IT・ウェブ企業に特化した弁護士が見る「まんだらけ」の万引き犯、顔写真公開騒動

「まんだらけ」が、万引き犯の顔写真を公開!?

「まんだらけ」が、25万円の玩具を万引きされたとして、
ホームページ上で「8月12日までに、返さなければ犯人の顔写真を公開する」としていた問題。
「まんだらけ」は、警察庁の要請に応じて、顔写真の公開を中止しました。

万引き犯の写真を公開する…この対応に、ネット上では賛否両論の声が…。

この「まんだらけ」の対応…いろんな考え方があると思いますが、
あくまで法律的にみると、どうなるのか…考えてみたいと思います。

名誉棄損罪(刑法230条)

この人が万引き犯といって、顔写真を公開する…
これは、名誉棄損罪が成立する可能性があります。
「名誉棄損」とは、人の社会的評価を低下させることをいいますので、
万引き犯といって、顔写真を公開することは、その人の社会的評価を低下させることですので、
名誉を棄損することに当たる可能性があるのです。

脅迫罪(刑法222条)

「盗品を返さなければ、万引き犯として、顔写真を公開する」というのは、
脅迫罪が成立する可能性があります。
脅迫罪の脅迫とは、人の生命、財産、身体、名誉、自由に対して害悪を告知することをいいます。
いやいや、相手は万引き犯ですよ!と思うかもしれませんが、

相手が誰であろうと、「脅迫」行為をしてはいけません!

恐喝罪(刑法249条)

万引き犯として、顔写真を公開するとして商品を返却させようとしているので
恐喝罪も、成立する可能性があります。
盗まれた商品を返却させるという目的であるとしても、脅して財物を得ようとするのは、
恐喝罪が成立しうるのです!

やられたら、やり返す…は、法律の世界では通用しない!

以上、「まんだらけ」の対応を、法律的に見ていきました。
「まんだらけ」の対応も、気持ちは分かります。

「まんだらけ」は、万引きをされた被害者…悪いのは、万引き犯のはず…
そうなんです!悪いのは、万引き犯なんです!!
自分の商品を万引きされたんだから、やり返したい!

だけど…それに対して、違法な形で応酬してはいけない…
それを許してしまうと、法秩序が崩壊してしまう。

「まんだらけ」も警察庁の要請を受けて、公開するのを中止したとのこと。
捜査機関が、犯人を見つけてくれることを願うばかりですm(__)m