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自社サービス名と類似する他社のドメインの使用を止めさせることはできますか?【2022年12月加筆】

他社で、自社サービス名のドメインがつけられている

自社サービスをリリースし、ユーザーにも認知され始めたときに、他社が自社サービスと同じか類似しているドメインをつけている。そんな事例が多くあります。

そのようなときに、他社に対し、当該ドメイン名の使用をやめさせることはできるのでしょうか?

不正競争防止法の商品表示にあたるか

不正競争防止法によれば

  1. 著名な「商品の表示」について
  2. これと同一または類似する表示を使う行為に対して

差止めがすることができるとされています。

まず、問題になるのは、ドメイン名が①「商品の表示」にあたるのでしょうか?

この点、東京地判平成13年4月24日判決では以下のように述べています。

「ドメイン名が特定の固有名詞と同一である場合などには、当該固有名詞の主体がドメイン名の登録者であると考えるのが通常である。

そうすると、ドメイン名の登録者がその開設するウェブサイト上で、商品の販売や役務の提供について需要者たる閲覧者に対して広告等による情報を提供し、あるいは注文を受け付けているような場合には、ドメイン名が当該ウェブサイトにおいて表示されている商品や役務の出所を識別する機能を有する場合があり得ることになり、そのような場合においては、ドメイン名が・・・「商品等表示」に該当することになる。

そして、個別の具体的事案においてドメイン名の使用が「商品等表示」の「使用」に該当するかどうかは、当該ドメイン名が使用されたページの内容などから総合的に判断する

要するに、この判決では、自社で開設するウェブサイト上で、情報を提供し、あるいは注文を受け付けているような場合には、他社がそれと同一または類似されたドメインを使用する場合には、「商品の表示」にあたるとしています。

そして、「商品等表示」の使用があるかの判断は、他社のドメイン名の使用されたページの内容から総合的になされるとされています。

自社サービス名が「hidepon」だったとして、それを自社サイトなどで宣伝していた場合に、他社が「hidepon.co.jp」というドメイン名でウェブサイトを運営しているときは、他社の「hidepon.co.jp」は、「商品の表示」にあたる可能性があるのです。

不正競争防止法の差し止め請求

上記の例でいくと、自社は他社の「hidepon.co.jp」について、ドメイン名の使用差し止めの可能性があります。

上記のように、「商品の表示」にあたるのか、差し止め請求の手続きは、どうやってやるのかなどは、一度専門家の意見を聞くようにしましょう!