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Zoomのバーチャル背景で他人の画像を使うのは著作権的に問題ないの?【2023年3月加筆】

著作権に関する法律

Zoom利用が進んでいる

コロナの影響で、テレワーク(リモートワーク)が進んでいます。その中で、Zoomで打ち合わせをする機会が増えています。

Zoomは、複数人でのリモート会議が可能で、画面共有もできるので、リアルタイムで資料の共有ができます。

また、Zoomの背景を自分でカスタマイズできる機能「バーチャル背景」があります。これにより、自宅でも自分の背景を写したくない場合などに、隠すことができるので、便利です。

この背景で個性を出すこともでき、キャラクターやネット上で落ちているコンテンツを背景に使う場合になる場合もあります。

では、Zoomのバーチャル背景をにネット上のコンテンツを使うのは、法律的にOKなのでしょうか?

Zoom背景に他社コンテンツを使う場合の法律問題

問題となる法律が、著作権法です。

著作権法では、他人のコンテンツを使う場合に、コンテンツを自分のパソコンにコピーをする場合には、著作権のうち複製権を、ダウンロードして、アップロードする場合には、著作権のうち、送信可能化権を侵害しています。

他社のコンテンツを背景に使用したZoom画面を、SNSやインターネット上に流してしまうと、公衆送信権侵害になります。

このように著作権法として、問題になる可能性があります。

著作権法の例外規定

しかし、著作権法には、権利者の同意なく、他人のコンテンツを使える場合が規定されています。

その一例が「私的使用」です。私的使用とは「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を言います。

仕事で使用する場合には、これに含まれていませんが、あくまで自分のパソコンで、Zoomの背景を設定し、特定の人(友人や会社の人間)との打ち合わせで使用する程度であれば、私的使用といえるでしょう。

しかし、これを超えて、他社のコンテンツを背景に使用したZoom画面を、SNSやインターネット上に流してしまうと、私的使用とはいえなくなってきます。

著作権を侵害するとどうなるの?

では、著作権侵害になると、どうなるのでしょうか?著作権者から損害賠償などの請求がされる恐れがあります。

特に、著作権侵害動画で、利益などを得ている場合は、その利益が損害額とみなすという規定もあります。著作権法上、利益を得ていなくても、ライセンス料相当額の損害賠償ができるという規定があります。

また、刑事罰もあり、懲役10年以下、1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。

Zoom背景を設定して、それをSNS・インターネットで流すことで、すぐに上記のような請求がくることはないかもしれませんが、頭には入れておきましょう!