農業というと、昔ながらのイメージありますが、農業とITを組み合わせたサービスが出てきています。ICT農業、AI農業などと呼ばれ、ITを使った生産管理、生産向上に役立てています。
ICT農業の現状とこれから (AI農業を中心に)
また、農地法改正により、一般企業も農業に参入しやすい環境になっています。
しかし、もともと農業というのは、伝統的な産業なだけに、ITの知識があまりない方も多いのが実情です。それにより、ITサービス事業者とサービス契約者である農業従事者の方でトラブルになる例も増えています。
そこで、内閣官房から、農業 IT サービス標準利用規約ガイドが発表され、農業ITサービス事業者と契約者(農業従事者)との利用規約に関する注意点を提示しています。
農業 IT サービス標準利用規約ガイドでは、農業ITサービス事業者と利用者である農業従事者の双方が、チェックすべき利用規約のポイントを指摘しています。
BtoCサービスでは、ユーザーは利用規約なんて読まない方も多いとは思いますが、農業ITサービスには、利用者は農業従事者です。
金額も大きくなる場合もあることがから、しっかり利用規約をチェックする必要があります。詳しくは、同資料に記載されていますが、ここではポイントとなるところを見ていきたいと思います。
利用規約というのは、契約書の代わりになるものであり、契約書と同じ効力があります。
そこで、当該サービスが、いつの時点で成立するのか、利用規約変更の場合の通知方法などは、事前にチェックしておく必要があります。
農業ITサービス事業者としても、利用規約に記載しておけば、利用規約を無制限に変更できるわけではなく、契約者にとって著しく不利益な変更や予測不能な変更等については訴訟において無効と判断される可能性がありますので、注意しましょう。
利用規約には、必ずといっていいほど「免責」という項目があります。
これは、ITサービス事業者が「この事項が発生しても責任は取りませんよ」という項目を列挙しています。
利用者である農業従事者としては、どのような事項が免責事項になっているのかを、しっかり確認する必要があります。
特に以下のような免責事項がある場合には、注意して規定を見るようにしましょう。
農業ITサービス事業者が、サービスについて、性能などを保証する範囲を示したものです。
特に以下の点については、両者とも、十分に検討しておく必要があります。
利用規約には、ITサービス内のコンテンツについて、著作権などの知的財産権の帰属についての規定があります。
通常、ITサービス内のコンテンツは事業者に帰属することが多いですが、利用者が投稿した情報については、どちらに権利が帰属するのかは、確認する必要があります。
また、農業ITサービスの知的財産の取り扱いについては、慶応義塾大学が農業 ICT 知的財産活用ガイドラインを作成しているので、こちらも参考にしてください。