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2025年9月施行『オンラインカジノ規制法』の全貌と事業者への影響

2025年9月、「オンラインカジノ規制法」と呼ばれる新たな法律が施行されます。
近年、日本では芸能人やスポーツ選手によるオンラインカジノ利用が次々に発覚し、賭博容疑で書類送検されるケースが相次ぎました。こうしたニュースに接し、「自分は関係ない」と感じている一般の事業者の方も多いかもしれません。しかし、オンライン上の賭博(ギャンブル)は日本国内では明確に違法であり、罰則の対象となります。
オンラインカジノとは?日本での違法性を基礎から解説
オンラインカジノとは、パソコンやスマートフォンを使ってインターネット上で楽しむカジノゲームのことです。具体的には、ルーレットやブラックジャック、バカラ、スロットなどの伝統的なカジノゲームだけでなく、パズルゲームのようなものやスポーツの勝敗予想にお金を賭けるゲームも含まれます。
要するに「オンライン上でできる賭け事全般」を指しており、その結果に対して現金や暗号資産(仮想通貨)、電子マネーなど金銭的価値のあるものを賭ける仕組みが特徴です。
結論から言えば、オンラインカジノで賭博をする行為は日本国内では違法です。
たとえ海外で合法的にライセンスを受けて運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭け事をすれば日本の刑法上の賭博罪等に該当します。
これは「海外のサービスだから日本の法律の適用外だろう」といった誤解をされがちな点ですが、明確に日本の法律で禁止された行為です。
スマホアプリの無料版オンラインカジノなどが存在するため、一見合法のように思えるかもしれません。しかし、有料版(実際に金銭等を賭けるもの)はもちろん、無料版であっても最終的に賭博へ誘導するような仕組みがあれば問題となります。
賭博罪と罰則:オンラインカジノ利用・運営で問われる刑事リスク
オンラインカジノであれ何であれ、日本国内における賭博行為は刑法によって禁止されています。具体的には、賭け事をした人(賭客)は刑法第185条の賭博罪に問われ、50万円以下の罰金または科料(1万円未満の軽い財産刑)に処せられます。
さらに、常習的に賭博をした場合には刑法第186条の常習賭博罪が適用され、3年以下の懲役というより重い刑罰となる可能性があります。
賭博罪は一見すると罰金刑のみで軽く思えるかもしれませんが、逮捕・勾留され前科が付くこと自体が社会的信用に大きな傷を残す点に注意が必要です。一度でも繰り返せば常習と見なされ、懲役刑もあり得る厳しい法律なのです。
カジノを提供する側になると…
では、オンラインカジノを運営する側や、他人の賭博を手助けする立場の場合はどうでしょうか?賭博行為をする「場」を提供したり、胴元として利益を得たりする行為には、刑法第186条後段の賭博場開張図利罪(とばくじょうかいちょうとりざい)が適用されます。これは3月以上5年以下の懲役という非常に重い刑罰が科される罪で、実際にオンラインカジノで日本人から賭け金を集めていた主催者がこの罪で検挙されています。
たとえば、日本国内の賭客に対し、海外サーバー上のオンラインカジノへアクセスさせて賭けをさせていた人物が常習賭博罪や賭博開帳図利罪で逮捕されたケースがあります。
運営側は「常習賭博」の首謀者かつ賭博場の開設者と見なされ、単なる利用者よりも遥かに重い処罰対象となるわけです。
また、直接ギャンブルをしなくても違法行為となり得るケースがあります。それがオンラインカジノへの勧誘・宣伝等による賭博幇助罪(ほう助:手助け)です。例えば、日本国内の利用者をオンラインカジノに誘導するためにSNSや動画サイトで広告リンクを貼る行為は、賭博の実行を容易にしたとして幇助犯に問われる可能性があります
実際に、海外のオンラインカジノ事業者とアフィリエイト契約を結び、「誰でも簡単に稼げる」といった宣伝文句で動画配信サイト等から利用者を勧誘していたアフィリエイターが常習賭博ほう助罪で検挙された事例もあります。
このように、自分は賭博をしていなくても「他人を賭博に誘う行為」自体が犯罪となり得ます。
2025年9月施行「オンラインカジノ規制法」とは何か
2025年9月25日から施行されるオンラインカジノ規制法(正式名称:「ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律」)は、違法なオンライン賭博への対策を強化するために制定されました。
もともとギャンブル等依存症対策基本法は、ギャンブル依存症対策の推進を目的とした理念法でしたが、近年深刻化するオンラインカジノ問題に対処すべく、与野党合意のもとで2025年6月に改正案が可決・成立したのです。この改正により、オンライン上での賭博の提供や勧誘に関する行為が明確に禁止されることになりました
オンラインカジノ規制法で禁止される行為は大きく以下のとおりです
①オンラインカジノサイトの開設・運営
②オンラインカジノアプリの提供(アプリストアへの掲載)
③SNS等での宣伝・広告行為(例:「○○カジノはこちらから登録!」「××カジノは日本語対応しています」などとオンラインカジノへの勧誘文言やリンクを投稿する行為。TwitterやInstagram、YouTubeでの宣伝投稿などが該当)
④オンラインカジノ紹介のまとめサイト作成
(例:「おすすめオンラインカジノ10選」等のタイトルでオンラインカジノサイトへのリンク集を掲載するウェブサイトを作成する行為
上図は改正ギャンブル等依存症対策基本法によって新たに明確に禁止された行為をまとめた図です。
これまでグレーと考えられていた広告・宣伝の類や、アプリ提供、リンク集サイトの作成までもが「法律で禁止」となった点が大きな変化です。一般の企業がうっかりオンラインカジノ関連の広告バナーをサイトに載せたり、SNSで紹介記事をシェアしたりすることも、これからは明確にNGと認識しなければなりません。
法律違反に対する罰則規定はないが…
ここで注意が必要なのは、この改正法律自体には、上記禁止行為に対する直接の罰則規定が設けられていないという点です。
違反したからといって直ちにこの法律に基づいて罰金刑が科されるわけではありません。しかし、「法律で禁止された」ということ自体に大きな意味があります。まず第一に、違法行為であることが明確化されたことで、捜査当局が賭博ほう助など既存の刑法を適用しやすくなると考えられます。
宣伝や誘導行為は従来からほう助犯として処罰可能でしたが、新法により「誘導も違法」と明示されたことで、一層取り締まりの後押しとなるでしょう。
第二に、インターネット上の有害情報削除やサイトブロッキングが促進される効果が期待できます
違法なオンラインカジノの広告や紹介サイトについて、ユーザーから通報があればプロバイダやSNS運営側が削除しやすくなる環境が整備されます。実際、GoogleやMeta(Facebook/Instagram)など主要プラットフォームは2024年に「日本国内からのオンラインギャンブル広告は禁止」とするポリシーを打ち出しており、既に広告出稿は難しくなっています
今後は違法サイトへのアクセス遮断(ブロッキング)など技術的手段も含め、ネット上からオンラインカジノ関連情報を排除する取組みが進むでしょう。
総じて、オンラインカジノ規制法の施行によって「オンライン賭博はダメ。宣伝するのもダメ。」というメッセージが明文化されたと言えます。その結果、事業者にとってはこれまで以上に慎重な対応が求められることになります。次の章では、具体的に事業者が留意すべき違法リスクの回避方法や、オンラインカジノに関連するビジネスを合法的に展開するための実務的アドバイスを述べていきます。
違法リスクを回避するには:事業者が取るべき対策
オンラインカジノ規制法の施行により、事業者はこれまで以上に自社のビジネスが「賭博」に抵触していないかを注意深く点検する必要があります。以下に、違法リスクを回避するためのポイントを整理します。
日本国内で金銭を賭けるサービスは提供しない
当たり前ですが最重要ポイントです。どんなに「海外で合法」なシステムでも、日本人が日本国内から参加できる形で金銭賭博サービスを提供すれば違法です。
自社サイトやアプリ上でユーザー同士がお金や仮想通貨を賭け合う仕組みなど言語道断です。「海外サーバーだから大丈夫」「仮想通貨なら法の抜け穴」といった考えは通用しません。
実際、VPNで海外経由にしたり匿名の暗号資産決済を用いたとしても、通信記録やウォレット履歴を辿ることで利用者を特定する手法が確立されつつあり、技術的トリックで法を逃れることはできないと警察庁も警告しています。
賭博にならないように、合法的に運営する必要があります。

オンラインカジノに関する広告・リンクを掲載しない
自社のホームページやブログ、SNSアカウントで、オンラインカジノへの誘導リンクや宣伝文を載せてはいけません。
たとえ自社がギャンブルと無関係な業種でも注意が必要です。過去には銀行のウェブサイトにオンラインカジノ広告が表示され問題になった例もあります。広告配信ネットワーク経由で意図せず自社サイトに表示されてしまうケースも考えられるため、広告出稿のフィルタリング設定なども見直しましょう。
従業員や関係者にも周知徹底する
自社の従業員が業務中にこっそりオンラインカジノで遊んでいた…という事態も避けねばなりません。会社のPCから違法サイトにアクセスして逮捕されれば会社の信用失墜にもつながります。社員研修などでオンラインカジノは違法であること、誘われても手を出してはいけないことを教育するのもコンプライアンス上重要です。また、社内のネット利用を適切に管理し、業務端末からオンラインカジノサイトへアクセスできないようフィルタリングを導入するのも有効な対策です。
学校や企業では既に「オンラインカジノ」カテゴリのアクセスを警告・遮断する仕組みを取り入れる動きもあります
過去に広告掲載・利用していた場合は早急に対処
もし過去に自社サイトでオンラインカジノのバナー広告を掲載したことがある、またはSNSで興味本位で紹介投稿をしてしまった、といった場合は、証拠が残っていないか確認しましょう。投稿を削除し、再発防止策を講じます。新法施行後は特に、放置していると通報により当局から事情聴取やサイト削除要請が来る可能性があります。
意図せず違法行為に加担してしまわないよう、ネット上の自社コンテンツを点検してください。
第三者のサイト運営にも注意
例えば事業者自身は直接オンラインカジノをやっていなくても、取引先が関与していたり、顧客から「オンラインカジノ関連のシステム開発」を持ちかけられたりするケースも考えられます。そのような場合も安易に引き受けず、法律的に問題ないかを精査することが肝心です。違法なビジネスに間接的にでも関与すると、自社も共犯的に見られリスクを負います。疑わしい案件は専門家に確認するなど慎重に対応しましょう。
以上のように、基本は「オンラインカジノに触れない・関わらない」ことがリスク回避の鉄則です。オンラインカジノ規制法の施行によって「誘うだけでもアウト」と線引きが明確になった今、自社の行為がその線を超えていないかを常にチェックし、グレーゾーンには踏み込まないようにしてください。どうしても判断がつかない場合や、自社のビジネスモデルが微妙なラインにある場合には、次に述べる合法的なビジネススキーム構築のアドバイスも参考にしてみてください。
ビジネススキームの合法化に向けた実務的アドバイス
「それでもオンラインカジノ関連でビジネスチャンスを掴みたい」「合法の範囲でギャンブル性のあるサービスを展開できないか?」──そんな風に考える事業者の方もいるでしょう。この章では、オンラインカジノ事業を合法的に行うための方策やアイデアをいくつか提案します。ただし、いずれも法解釈のグレーゾーンを含む繊細な問題ですので、実際に検討する際は必ず専門家に相談の上で進めるようにしてください。
「遊び」と割り切ったオンラインカジノ(景品なしのシミュレーションゲーム)
オンラインカジノの醍醐味を擬似的に楽しめる「シミュレーションゲーム」として提供する方法があります。要はお金や換金性アイテムを一切賭けないオンラインカジノゲームです。ユーザーは架空のゲームマネーやポイントで賭けを行い、勝っても実際のお金は増えず、負けても減らないという純粋な娯楽サービスに徹します。景品表示法や風営法の問題に触れない範囲であれば、これは法律的に賭博には該当しません。実際、スマホアプリなどで「カジノゲーム(※賭けは疑似コイン)」といった無料ゲームが配信されていますが、これ自体は合法です。
収益化するには、ゲーム内広告や追加コインの課金販売(あくまで娯楽目的で換金不可のコインを販売)といった手法があります。注意点は、ユーザーに「この先リアルマネーでもっと遊べる」という誘導を絶対にしないことです。無料版から有料版オンラインカジノへの勧誘とみなされるとアウトなので、ゲーム内で外部の賭博サイトに誘導する広告を出したり、リンクを貼ったりしないよう細心の注意を払いましょう。
海外市場のみをターゲットにする
どうしてもリアルマネーを伴うオンラインカジノサービスを展開したい場合は、日本国外のみをターゲットにするという選択肢があります。例えば、サービス提供の拠点を海外(オンラインカジノが合法な国・地域)に置き、利用規約で日本居住者の利用を禁止し、サイトやアプリも全て英語(または対象国の言語)で提供する、といった方法です
日本円建ての決済手段も排除し、日本からのアクセスはIPブロックするなど技術的措置を講じれば、少なくとも日本法の適用を受けにくくすることは可能でしょう。
実際に、日本語表記や円決済を一切せず海外プレイヤー相手に運営しているカジノサイトも存在します
しかし注意すべきは、「日本に住む自分(事業者)」が運営している以上、日本の捜査当局から目を付けられるリスクはゼロではないという点です。たとえ顧客が全員外国人でも、日本国内に運営拠点やサーバー、人員があれば捜査対象になり得ます。また、その国でのライセンス取得や法令順守も当然必要です。さらに、日本から完全にアクセス遮断したつもりでも技術的にすり抜けられる可能性もあり、「実際には日本人も利用していた」となれば言い訳は通じません。総合的に見て、海外限定ビジネスモデルは日本法リスクを下げる効果はありますが、絶対的な安全策ではないことを肝に銘じましょう。
アフィリエイトモデルの見直し
オンラインカジノ関連で収益を上げる方法としてアフィリエイトがありますが、前述のとおり現在のままでは極めて危険です。
しかし、どうしてもアフィリエイトに取り組みたい場合は、報酬形態と対象ユーザーの見直しでリスク軽減を図る工夫が考えられます。
例えば、もっともリスクが高いのは「成果報酬型」(利用者が賭けて負けた額の一部を報酬として受け取る等)のアフィリエイトで、日本人ユーザー相手にこれを行う行為です。
実際に摘発事例の多くはこのパターンです。これを避けるため、報酬体系を定額制やクリック報酬型に変更し、ギャンブルの結果と報酬が連動しないようにするという方法が考えられます。
例えば「広告バナー1クリックあたり○円」のようにしておけば、直接的に賭博の利益を分けてもらっている構図ではなくなります。ただし、この方法であっても最終的に違法賭博に誘導している点は変わらないため、ほう助に当たる可能性は残ります。
「ここまでやれば大丈夫」という明確な線引きもなく、今後の法運用次第で変わる可能性もあります。少しでも関与するなら、事前に専門家によるリーガルチェックを受けることを強くおすすめします。
おわりに:安心・安全なビジネス運営のために
2025年9月施行のオンラインカジノ規制法によって、オンライン上の賭博行為に対する規制は一段と強化されました。【違法リスクの回避方法】としては、「賭博行為に関与しないこと」が何よりも重要であり、誘惑に乗らない強い姿勢と社内外への周知徹底が求められます。
また、【罰則内容と摘発リスク】について見てきたように、オンラインカジノ利用者は罰金や懲役といった刑事罰の対象となり、運営者・周辺協力者はさらに重い処罰を受ける可能性があります有名人ですら摘発される現状を踏まえれば、私たち一般事業者も他人事ではありません。「知らなかった」「自分は大丈夫」と思い込まず、最新の法規制を正しく理解することが大切です。

