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警視庁一斉摘発から学ぶアミューズメントカジノ適法運営のポイント

警視庁による一斉摘発の概要と業界の現状
2025年12月、警視庁は都内のアミューズメントカジノ店舗に対し初めて一斉立ち入り調査を実施しました。この調査は年末年始の特別警戒の一環として12月13日から20日にかけて行われ、渋谷や六本木、歌舞伎町など繁華街の80店舗が対象となりました。
その結果、6割にあたる48店舗で風俗営業法違反となる行為が確認され、違反件数は計84件に上りました。
具体的には、ポーカーなどのゲームで獲得したチップやメダルを景品や店内の飲食物と交換させていたことや、チップを店外に持ち出させたり保管証を発行したりしていたことなどが違反行為として指摘されています。
警視庁は各店舗の従業員に口頭で指導を行い、悪質なケースについては行政処分も含めた是正措置を取る方針を示しました。
今回の一斉調査で明らかになったもう一つの問題は「ウェブコイン」と呼ばれるオンラインポイントの存在です。一部店舗では、獲得したチップを店舗独自のデジタルポイント(ウェブコイン)に変換し、スマートフォンアプリで管理する仕組みを導入していました。
このウェブコインは他の提携店舗でも利用可能とされており、事実上チップを店外に持ち出して流通させる手段として機能していました。
しかし、このようなチップの持ち出しや他店での使用、景品への交換は法律で禁止されており、警視庁はウェブコインによる違法行為の蔓延を食い止める目的で今回の大規模調査に踏み切ったとみられます。
警視庁保安課によれば、都内のアミューズメントカジノ店舗は2021年頃に約60店だったものが、2025年には約200店にまで増加しており、営業実態の把握と法令指導が急務となっていた背景があります。業界の急成長に対し、行政は適正化のための監督を強め始めたと言えるでしょう。
この記事では、アミューズメントカジノ、ポーカーバーの法律と合法的な運営方法について解説します。
また弊社では、アミューズメントカジノ、ポーカーバーの運営のアドバイスをこれまで100件以上行っております。この実績は、日本一です。
この記事で紹介しきれなかった合法化スキームもございますので、アミューズメントカジノ、ポーカーバーの経営者は、一度個別でご相談ください!
アミューズメントカジノとは何か?(定義と法的位置づけ)
アミューズメントカジノとは、ラスベガスやマカオのカジノさながらにポーカー、ブラックジャック、ルーレット、バカラ等のカジノゲームを楽しめる施設ですが、日本法に抵触しないよう現金の代わりに店独自のチップやメダルを用いて遊ぶ点が特徴です。
要するに、お金そのものは賭けず、あくまでゲーム用のポイントでプレイする「現金を賭けないカジノ」という位置づけになります。しかし、こうした形態であっても運営にあたっては法律上の位置づけを理解しておく必要があります。
日本では賭博(ギャンブル)は原則として刑法で禁じられているため、現金を賭ける行為は直ちに賭博罪の問題となります。アミューズメントカジノは現金を使用しないことでこの賭博罪を回避していますが、それだけでは十分ではありません。
営業形態としてはゲームセンター等と同様に風俗営業法上の営業許可を取得することが求められます。具体的には、「風俗営業(5号営業)」の許可を公安委員会から取得し、ゲームセンター(遊技場)として営業する必要があります。
実際、アミューズメントカジノは法律上「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」の一種としてゲームセンターと同様に扱われており、適切な許可なしに営業すれば違法営業となります。
補足:風俗営業法における営業区分では、例えばキャバクラやホストクラブ等は1号営業、雀荘やパチンコ店は4号営業、ゲームセンターは5号営業と分類されています
アミューズメントカジノは基本的に5号営業として扱われますが、都道府県によってはディーラーが客に対してゲームを進行・説明する行為が「接待」に該当すると解釈され、接待飲食等営業(1号営業)の許可も追加で求められる地域もあります
例えば大阪府ではポーカーディーラーが接待とみなされるため1号許可を併せて取得するケースがあるようです。このように、自店舗の所在地の行政解釈に応じて必要な許可を確認しておくことも重要です。
以上のように、アミューズメントカジノは「現金を使わない=合法」ではなく、ゲームセンターとして許可を得て各種規制を守って運営する限りにおいて合法と評価されるものです。次章では、その具体的な法的リスクと規制内容について見ていきましょう。
賭博罪や風営法に関する法的リスクの整理
アミューズメントカジノ運営者にとって特に注意すべき法律上のリスクとして、大きく分けて以下の二つがあります。
刑法上の賭博罪および賭博場開帳図利罪(いわゆる胴元罪)
風俗営業法(風営法)上の各種違反(無許可営業、景品提供禁止違反、深夜営業違反、年少者立入禁止違反 等)
まず、刑法上の賭博罪について整理します。日本の刑法では、賭博(金品を賭けて偶然の勝負をする行為)をした者は処罰の対象となり(単純賭博罪:50万円以下の罰金刑)、常習的に賭博をした者や賭博場を開いた者にはより重い罰則(常習賭博罪・賭博場開帳図利罪:3年以下の懲役など)が科されます。賭博罪が成立する「賭博」とは、法律上参加者が金銭等の利益の得喪を争う行為を指します
例えば「参加料を徴収し、その一部を勝者への賞金とする大会」のように、参加者全員が金銭を出し合い、一部の勝者だけが利益を得て他の者は損をする仕組みは賭博そのものです。
アミューズメントカジノで現金を直接賭けない場合でも、後述するような間接的な方法で実質的に金銭を賭ける構造を作れば賭博罪が適用されるリスクがあります。
次に、運営者側が問われる可能性がある賭博場開帳図利罪とは、お店が参加費やゲーム代金を取って客に賭博行為をさせること自体を処罰するものです。たとえ自分自身は賭博に参加しなくても、店舗を提供して利益を得ている場合に成立し得ます。要は、「お店という胴元を開いて客に賭け事をさせて利益を上げる行為」は厳しく禁止されているということです。
では、アミューズメントカジノでどのようなケースが、「賭けている」と判断されるのでしょうか。具体例として、今回問題になったチップの景品交換や店外持ち出しは一見現金そのものではないものの、賭博罪や風営法違反につながる行為とみなされます。大阪府警が公表した注意喚起文書では、例えば以下のようなケースが違法なおそれがある例として挙げられています。
・ゲームの勝敗や大会の順位に応じて、参加者同士が賞金や賞品の得失(得喪)を争う場合
・店側が参加費やゲーム代を徴収して店内で賭博を行わせている場合(→賭博場開帳図利罪に該当し得る)
・参加者が直接現金を賭けていなくても、チップの増減を争い、獲得チップに応じて現金等の払い戻しを行う仕組みがある場合(第三者を介した送金や換金を含む。一例が前述のウェブコイン等)
も賭博罪に該当する
要するに、勝敗に応じて誰かが金銭的に得をし誰かが損をするような構造があれば、それは「賭けている」ことになります。また運営者がその場を提供して利益を得ていれば「賭博場を開帳した」と評価されます。これらはいずれも刑法犯罪となる非常に重いリスクです。
風俗営業法(風営法)に基づく規制
一方、風俗営業法(風営法)に基づく規制も厳重です。風営法では、ゲームセンター営業(5号営業)について「客に遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない」旨の規定があります。
そのため、アミューズメントカジノ店舗においてお客様がゲームで獲得したチップやメダルを現金や物品(賞品)に交換することは禁止されています。
例えば「◯ポイント貯まったら景品プレゼント」「○○チップでドリンクサービス」といった行為も、遊技の結果による利益提供とみなされるため違法です。
今回の警視庁調査でもまさにこの賞品提供禁止違反が数多く確認されました。
カジノゲームで遊べるとはいえ、そこで得たチップ等は娯楽の範囲を超えては価値を持たせてはいけないというのが法律の趣旨です。
風営法違反としては他にも、無許可営業(許可を取らずに営業すること)、営業時間違反(深夜0時以降の営業など規制時間の逸脱)、年少者立入禁止違反(高校生以下の立入や滞在)なども考えられます。これらについては次章で詳しく解説しますが、いずれも営業停止処分等の行政処分や刑事罰の対象となり得るため、経営者は細心の注意を払う必要があります。
過去の摘発事例と行政の姿勢
今回の警視庁による一斉調査は業界初の大規模なものでしたが、実はアミューズメントカジノに関連する摘発自体は過去にも発生しています。行政は従来からこうした業態に目を光らせており、とくに違法性が高い事案については摘発の手が及んでいます。
例えば大阪府では、2023年6月に大阪市内のアミューズメントポーカー店約20店に警察が立ち入り調査を行い、違法行為防止のチラシを配布するなどの指導が行われました。
しかしその後も違法な営業が続いたケースがあり、同年8月には2つのアミューズメントポーカー店が摘発され、経営者と客あわせて21人が逮捕される事件が起きています。
この事件では、店舗でポーカーゲームに興じた客が獲得したチップに応じて、店舗側が「ポーカー業界への支援金」名目でポーカー団体の口座に金銭を送金し、団体が「競技者への支援金」として客の銀行口座へ現金を振り込むという迂回方式で実質的な現金の払い戻しを行っていました。
警察はこの巧妙なスキームを違法な換金システム**と判断し、一連の関係者を賭博開帳図利や賭博ほう助などの疑いで検挙したのです。
この大阪の事例は、直接現金を渡さなくても第三者口座を介した送金で換金すれば賭博とみなされる明確な例と言えます
業界内では「スポンサーからの賞金提供なら問題ないのでは?」という誤解もあるようですが、それは参加者自身の金銭が賞金に回っていない場合に限った話です。先の大阪のケースでは、建前上は「団体からの支援金」という形を取っていても、実態は参加者が賭けた金に由来する払い戻しであるため賭博性が認定されました。
行政の姿勢としては、まず違法行為の未然防止と是正指導を重視していることがうかがえます。今回の警視庁による調査でも、初回は口頭注意に留め、業界に警告と周知を与えることで改善を促しています。
しかし、悪質なケースや指導後も改善の見られない店舗に対しては厳正に対処する方針が示されています
大阪府警のように実際に検挙に踏み切った例もあることから、今後東京都内でも悪質な違法営業が続けば摘発に至る可能性は十分に考えられます。
また、警察庁(国)レベルでも近年アミューズメントカジノ業界の動向に注目しており、全国の都道府県警に対して適切な指導を行うよう通達やガイドラインが出されつつあります。一部地域での摘発強化や全国的な立ち入り調査の動きは、業界全体に「グレーな運営は許されない」というメッセージを発していると受け取るべきでしょう。事実、警視庁も「違反行為について従業員の認識も低いので、周知を徹底していきたい」とコメントしており、業界関係者への教育と遵法意識向上を今後さらに推進する姿勢です。
適法運営のポイント(日常営業編)
アミューズメントカジノを日常的に運営する上で、絶対に遵守すべき法律上のポイントを以下に整理します。常日頃の営業でうっかり違反してしまわないよう、一つひとつ確認していきましょう。
賭けない・換金しない徹底(現金・景品交換の禁止)
最も基本かつ重要なのは、現金を賭けないこと、そしてチップやメダルを換金・景品交換させないことです。これはアミューズメントカジノの大前提ですが、実際には営業上誘惑に駆られたり、お客様サービスの一環で違反してしまう例が後を絶ちません。
どんな場合でも現金そのものを賭けさせることは厳禁であり、仮に客同士が内緒で現金をやり取りしていたとしても看過すれば賭博場提供と見なされるおそれがあります。
また、「現金ではなく景品なら良いのでは?」と思われがちですが、ゲームの結果に応じた景品提供も法律で禁止されています。例えば「○勝したら○○をプレゼント」といったキャンペーンや、貯まったポイントで商品と交換するサービスは風営法違反(賞品提供禁止違反)となります
景品類の提供は一切行わないのが鉄則です。どうしてもサービスとして何か提供したい場合は、ゲームの勝敗と無関係に一律で提供する無料サービス(例:来店記念のノベルティ配布など)に留め、勝敗で差をつけるような行為は避けてください。
さらに忘れてはならないのが、チップやメダルの店外持ち出し禁止です。お客様が当日使い切れなかったチップを「預かり証」として発行し後日使わせる、といった行為も違法となります。
今回の警視庁調査でも、チップの店外持ち出しや外部ポイント化(ウェブコイン化)は厳しく問題視されました。お客様にチップを持ち帰らせないことは、適法運営の基本中の基本です。
営業時間の遵守
アミューズメントカジノ(ゲームセンター)には営業時間の規制があります。風営法では原則として深夜(おおむね午前0時)以降の営業を禁止しており、地域によっては深夜0時まで、緩和されている場合でも午前1時までといった上限が定められています。
例えば東京都内では、ゲームセンターの深夜営業は条例で厳しく制限されており、通常は午前0時閉店が求められます(繁華街でも概ね同様です)。したがって、たとえお客様が滞在していても時間になったら営業を終了しなければなりません。
違反して深夜まで営業を続けると、風営法違反(営業時間外営業)となり行政処分の対象です。深夜帯はどうしても熱気が高まりやすく、「もう少し遊びたい」という声が出がちですが、そこは毅然とした対応が必要です。閉店アナウンスを流したり、ゲーム進行を調整して区切りの良いところで終了するなど、スムーズに締められる工夫も大切でしょう。
なお、年末年始など特別な時期でも原則として営業時間延長は認められません。公安委員会から特別な許可を得ない限り規制時間を超えることはできないため、「カウントダウンイベントで夜通し営業」などは違法となります。この点も注意してください。
スタッフ教育と内部ルール整備
以上のポイントを守るには、スタッフ一人ひとりが法令を理解し遵守する意識を持つことが欠かせません。警視庁も「従業員の法令違反行為に対する認識が低い」と指摘しており、業界全体でコンプライアンス意識を高める必要があります。経営者は率先してスタッフ教育を行い、定期的に内部研修を実施しましょう。
研修では、本記事で述べたような「何が違法で何が合法か」を具体例とともに教え、万一お客様から違法行為を持ちかけられた場合の対処(例:「それは当店ではできません」ときっぱり断る)についてもシミュレーションしておくと良いでしょう。違法行為の誘発・幇助にならない接客を心がけることが重要です。
また、店舗としての内部ルールも文書化して明確に定めておくことをおすすめします。たとえば「チップの保管禁止」「景品交換禁止」「現金の授受発覚時の退店措置」「年齢確認ルール」「閉店時間厳守手順」などをマニュアルを共有し、スタッフ間で統一した対応が取れるようにしましょう。新人アルバイトなどでもすぐ理解できるよう、チェックリスト形式にするのも効果的です。
以上が日常営業における適法運営のポイントです。次に、イベントや大会を開催する際の注意点を解説します。
適法運営のポイント(イベント・大会編)
通常営業では問題なくとも、ポーカートーナメントやカジノイベントといった特別な催しを行う際には、また別の法的リスクが生じます。大会運営者として押さえておくべきポイントを詳説します。
大会参加費と賞金・賞品の扱い
イベントで最も注意すべきは、大会参加費(エントリーフィー)と賞金・賞品の関係です。前述の通り、参加費の一部が賞金になるような仕組みは賭博罪に該当します。
したがって、参加者から集めたお金を原資に優勝者へ賞金を出すことは絶対に避けてください。
合法的に大会を開催するには、賞金・賞品は参加者や主催者以外の第三者(スポンサー等)から提供してもらうことがポイントです。
例えば、企業スポンサーから優勝賞品として景品を提供してもらう、あるいは賞金を出してもらう場合、参加者は自分のお金を賭けているわけではないので誰も損をしておらず賭博に当たりません
この方式は、近年話題になったeスポーツ大会でも採用されている考え方で、参加費は会場費や運営費に充当し、賞金はスポンサーから拠出される場合には賭博性がないと整理されています
具体的な運用としては、参加費を取る場合でもその使途は会場レンタル代やディーラー人件費など大会運営経費のみに充てるよう会計を分け、賞金や景品はスポンサー提供分として別勘定にすることが望ましいです。
参加費と賞金が混同しないよう、銀行口座を分けて管理したり、スポンサーから賞金を直接授与してもらう工夫も有効でしょう。
重要なのは「参加者の払ったお金が別の参加者の利益になる構造にしない」ことです。
なお、賞品については景品表示法などの範囲も考慮する必要がありますが、法的には大会における賞品提供そのものは禁止されていません
風営法の賞品提供禁止規定はあくまで「通常の営業で遊技の結果に応じて提供する場合」に適用されるため、例えば一日限りのトーナメントイベントでスポンサー提供の賞品を出すこと自体は直ちに風営法違反ではありません
店舗営業ではNGだがイベントならOKという違いを正しく理解してください。ただし、いくらイベントとはいえ実質的に参加費が賞品購入に回っているような場合は賭博罪リスクがありますので、繰り返しになりますが参加費と賞品の原資は明確に切り離しましょう。
賞品の内容と提供方法
賞品・賞金の内容にも気を配りましょう。金銭そのものを賞金とする場合、提供元がスポンサーであれば賭博罪には当たりませんが、その金額が高額だと別途懸賞制限などの問題が出る可能性があります。
日本のポーカー大会ではよく、優勝者に「海外大会の出場権(渡航費・参加費)」や「オンラインポーカーで使えるドル」を副賞とするケースがあります。これらはスポンサー企業や団体が提供している場合が多く、参加費から捻出されたものではないため現状では賭博罪の適用を免れています。
このように、賞品がスポンサー提供であることを明示するのも重要です。大会要項や会場アナウンスで「賞品〇〇はスポンサーの○○社よりご提供いただきました」と案内すれば、参加者にも安心感を与えられます。
提供方法については、その場で現金を手渡しすることは避けるのが無難です。現金の場合は銀行振込にするか、商品券等に代えて後日渡すなど、あくまで「ゲームの結果その場ですぐ換金できるものが手に入る」状況を作らない配慮が望ましいでしょう
景品物の場合はその場で渡して問題ありませんが、小売価格が極端に高額なもの(例えば高級腕時計や高額電子機器など)は避ける方が賢明です。パチンコ景品の例ではありませんが、かつて警察庁の通達でクレーンゲームの景品上限が約1,000円程度と示されたこともあります。
大会賞品に明確な法定上限はないものの、常識の範囲内にとどめておく方が良いでしょう。
大会運営上の注意(ルール・設備・時間)
大会を行う際も、基本的には通常営業時と同じルールを守る必要があります。たとえば、店舗で大会を開催する場合は営業時間の制限もそのまま適用されます。予選から決勝まで長丁場になる場合でも、深夜0時をまたぐようであれば休憩や日程分割を検討し、違法な深夜営業とならないようスケジュールを組むことが大切です。
また、大会だからといって特別にチップを持ち帰らせるような行為もNGです。大会用のチップもあくまでその日限りで清算し、持ち点が残ったからといって後日のイベントに繰り越すようなことは避けましょう。特典として次回大会のシード権を与える程度なら問題ありませんが、チップやポイントそのものを後日に残す仕組みは風営法上問題視されかねません。
運営面では、誰でも参加できるオープントーナメントなのか、会員限定なのかによってもリスクは異なります。一般公募するオープン大会の場合、不特定多数が集まりやすいため、事前に規約を作成して違法行為厳禁を宣言しておくとよいでしょう。
参加者にも「現金賭博は禁止」「トラブル時のルール」などを周知した上で参加してもらうことで、主催者としての注意義務を果たしたことになります。会員限定の身内大会であっても、上記ルールは守らなければなりませんので油断は禁物です。
大会後のフォローと記録
大会が終わった後も、適法運営の観点からフォローすべき点があります。まず、賞金・賞品授与の記録を残しておきましょう。誰に何を渡したかを領収書や受領書の形で記録し、賞金であればスポンサーから主催者への提供記録・主催者から受賞者への支払い記録を明確にしておきます。万一後日トラブルになった際に、「賞金はスポンサー提供で参加費は使っていない」ことを示す証拠にもなります。
また、イベント中に何らかのトラブルや違反未遂がなかったか、スタッフ間で振り返りをして共有することも大切です。例えば「一部参加者が現金の掛け合いを持ちかけていた」という情報があれば、次回から受付時に注意喚起する、といった対策が取れます。大会運営マニュアルも改善を重ね、よりコンプライアンスに配慮した内容にアップデートしていきましょう。
最後に、大会の結果や写真をウェブやSNSで公開する際にも留意点があります。健全なイベントであったとしても、誤解を招く表現(「一攫千金」「賞金○○万円!」など煽情的なコピー)は避け、あくまで「ポーカー競技の大会」として節度ある発信に努めてください。世間の目も意識し、健全で安全な娯楽イベントとしてのイメージを損なわないよう心がけましょう。
今後の法規制や行政指導の見通し
警視庁の今回の一斉調査は、アミューズメントカジノ業界にとって大きな転換点となりました。今後については、現行法の厳格な運用による指導・取締り強化がまず予想されます。警視庁は今回違反が確認された店舗に対して既に口頭指導を行い、再発防止を求めています。
今後、再調査で改善が見られなかった店舗や、新たに悪質な違反行為をした店舗については、営業停止処分などの行政処分や書類送検といった措置が取られる可能性が高いでしょう。業界全体として、「現金や景品に換えられない単なる遊び」である範囲を超えない運営を徹底しなければ、生き残りは難しくなるといえます。
一方で、業界側もこの事態を重く受け止めて動き始めています。日本ポーカー事業者連盟(JPBA)など業界団体は、「ポーカー関連事業が法令の趣旨を十分に尊重し、社会から信頼される形で運営されることが不可欠」とした上で、関係当局との対話を通じて法令遵守の徹底や適切な運営の在り方を検討していくと表明しています
特に今回問題となった有償性を伴うポイント(ウェブコイン等)の取り扱いについては、現行法令の趣旨や運用を行政機関に確認しながら、業界団体として適切な対応策を検討するとのことです
今後、JPBAからガイドラインや統一ルールが示される可能性もあり、加盟事業者のみならず業界全体で注視すべき動きです。
業界が今後も社会に根付いて発展していくためには、「グレーではなくクリーンな営業」への転換が求められています。グローウィル国際法律事務所では、適法な運営のサポートをしておりますので、ぜひ一度ご相談ください!

