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ファクタリングは合法?ファクタリングビジネスの法律的注意点【弁護士 解説】

インターネット法律

ファクタリングとは

ファクタリングという仕組みをご存じでしょうか。

ファクタリング(factoring)とは他人の売掛債権を買取り、その債権の回収を行うことを言います。それを事業として行っているものを、ファクタリング事業者といいます。

ビジネスをしている人であれば分かるように、商品・サービスを提供しても、その代金は即座に支払われないですよね。

通常は、1~2か月程度、入金が遅れます。中小企業では、このタイムラグがあるため、資金繰りに困ることも出てくるわけです。

そこで、こういった売掛債権を買取り、自ら債権回収を行うというビジネスが生まれました。これは、一刻も早くキャッシュがほしい中小企業のニーズにも、応えるもので、ファクタリング事業者の数も増えました。

ファクタリング業者 貸金業法違反の疑いで逮捕

上記のような、ファクタリングですが、今年に入り、事業者が相次いで逮捕されています。

債権買い取り装い高利貸し 大阪府警、東京の2業者8人を逮捕
債権の買い取り装い「ヤミ金」、実質経営者ら7人逮捕 大阪府警

そして、これらの業者には、有罪判決が出ているということです。

なぜ、ファクタリング業者が逮捕・有罪判決されているかというと、一部のファクタリング業者を、「貸金業」と認定しているためです。

ファクタリングは、債権譲渡か貸金業か

問題になってくるのが、ファクタリングが債権譲渡なのか、実質的な貸金なのかです。

これについては、決まった見解はありません。ただ、上記事件にあるように、一部のファクタリング事業者については、「貸金業」と認定しているのです。

上記事件を見る限り、以下のような事情がある場合には、「貸金業」と認定されているようです。

契約書が保管されていない。(そもそも、作成していない)

通常の債権譲渡契約であれば、債権譲渡契約書があるはずですし、事業としてやっているのであれば、なおさらです。

しかし、有罪判決を言い渡された事件のケースでは、そもそも契約書などを作成していない、作成していても、1回の取引が終わるごとに破棄しているというケースでした。

債権譲渡通知を、ファクタリング事業者が出すように用意している

ファクタリング業者の中には、利用者に、予め事業者が用意した債権譲渡通知に捺印を求めるケースがあります。

「債権譲渡」では、債権を譲渡した側が、譲渡通知を出すのが通常ですが、ファクタリング業者の中には、債権譲渡通知を書面で出すケースが非常に多いのです。

このような、ファクタリング事業者が主導で行っていたとみられる場合には、実質的な貸金業をみられる場合があります。

ファクタリング取引に利息制限法を適用

判例では、ファクタリング取引に、利息制限法が適用されるかが問題になった事例で、利息制限法が適用されるとした判例があります(大阪地方裁判所平成29年3月3日判決)。

この事案では、売掛債権のうち、全部ではなく、あえて一部を譲渡させていたことが、実質的な貸金契約に当たるとされました。

このように、売掛債権のうち一部しかあえて譲渡せず、残債権については、支払ができなかったときの担保にするような方法をとると、貸金取引であると認定される可能性が高まります。

ファクタリング取引が、貸金であると認定されると

それでは、ファクタリング取引が、貸金取引であると認定されるとどうなるのでしょうか。

まず、民事的には、当該ファクタリング取引に、利息制限法が適用されます。

利息制限法を超過した部分については、支払を請求できず、利用者が支払った部分については、過払い金になるので、返還する必要があります。

また、貸金取引を事業として行うためには、「貸金業」の登録を得る必要がありますので、上記のように、無許可を行うと、摘発される可能性があります。


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