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投資助言業に該当する・しないの判断基準と注意点を弁護士が解説!
投資に関して有益な情報を提供したい!このような場合には、金融商品取引法上の「投資助言業」に該当するかを検討する必要があります。
投資助言業に該当すると、行政への登録が必要になります。無登録で行うと罰則があります。しかも投資助言業の新規登録は非常に大変であり、登録後も金融庁への報告など非常に手間がかかります。
そこで事業者としては、投資助言業に該当しない範囲で、投資に関する情報を提供したいと思うのが通常でしょう。そこで今回は、投資助言に該当するのか、しないのかその境目を解説します!
株式(有価証券)に対する投資助言
まず、株式やその他の有価証券に関する助言が投資助言業規制に該当するかについて説明します。
金融商品取引法第2条第8項第11号イは、有価証券の価値に関する助言行為が投資助言業に該当することを規定しています。この「有価証券の価値」という言葉には、特定企業の株価やその変動、将来的な価格予測、さらには株価上昇による利益の予測などが含まれます。
例えば、特定の企業の株価が今後上がる可能性が高いという予測を公に行う場合、これは投資助言業に該当する可能性が非常に高く、事前に金融庁へ登録が必要です。
こうした予測を行うことは、投資家に対する具体的な助言と見なされ、規制の対象となるからです。
一方で、景気動向や特定の企業の業績など、株価の基礎資料に過ぎない情報の提供については、金融商品取引法上の「有価証券の価値に関する助言」とは見なされません。
例えば、特定の企業の業績レポートや経済全体の分析を提供するだけであれば、投資助言業の登録は不要です。
有価証券以外の金融商品に対する投資助言
次に、有価証券以外の金融商品に関する投資助言について見ていきます。例えばFXやデリバティブ取引(先物取引、オプション取引など)です。
金融商品取引法第2条第8項第11号ロでは、金融商品の価値やその動向に関する助言も投資助言業に該当するとされています。
例えば、円高や円安に関する予測を一般に提供すること自体は、投資助言業には該当しません。
しかし、特定の金融商品、例えば外為取引(FX)の売買ポイントや取引時期など、具体的な投資判断を助言する場合は、投資助言業に該当します。
また、金融商品の価値やオプション価格の動向を分析し、その結果に基づいて投資判断を行うようなケースも、規制対象となることがあります。
この点では、単なる分析情報の提供と具体的な投資助言の境界線を明確にすることが、実務上非常に重要です。特に、金融商品の売買タイミングに関する具体的なアドバイスは、投資助言業規制の対象とされる可能性が高く、注意が必要です。
暗号資産(仮想通貨)に対する助言
暗号資産の投資助言については、以下のような規制になっています。
まず暗号資産の現物取引のみの投資アドバイスについては、原則として投資助言業には該当しません。
一方、仮想通貨(暗号資産)のデリバティブ取引の助言については、金融商品取引法上の投資助言業に当たります。投資助言の具体的な内容としては、次のようなものが挙げられます。
- 具体的商品をおススメする
- シグナル配信
- 継続的なコピートレードサービスの提供(売り切りの場合はこれに該当しないが、サブスクなどの継続課金の場合は該当する可能性が高いです。)
仮想通貨(暗号資産)現物とデリバティブ両方の投資助言
仮想通貨(暗号資産)の現物取引とデリバティブ取引の両方に対して助言しているとみなされる場合があります。
例えば、一つのサービスで仮想通貨(暗号資産)現物と仮想通貨(暗号資産)デリバティブの助言が行われている場合には、全体としてそのサービスが投資助言業に該当しているとみなされる可能性があります。
仮想通貨(暗号資産)の信用取引の助言
仮想通貨(暗号資産)のレバレッジ取引には、金融商品取引法で規制される暗号資産デリバティブ取引に該当する取引と、資金決済法で規制される信用取引に該当する取引があります。
金融商品取引法の投資助言業は、デリバティブ取引に関する規制で、信用取引に対する助言は金融商品取引法の規制対象外です。
しかし問題となるのは、助言の対象がデリバティブ取引なのか信用取引なのかです。信用取引なのかデリバティブ取引なのかは、必ずしも明確ではない場合もあります。
特に他社が取り扱うレバレッジ取引に助言する場合には、信用取引なのかデリバティブ取引なのかを検討する必要があります。
サブスク、オンラインサロンなどは投資助言になる?
不特定多数への情報提供
新聞や雑誌、ソフトウェアのように、不特定多数の人が自由にアクセスし、判断できる情報は、投資助言業には該当しません。
例えば、店頭販売されている書籍や、自由にダウンロードできるソフトウェアは、一般的には投資助言業に該当しません。
投資のソフトウェア販売
また、投資分析ソフトウェアを販売する場合も、継続的な助言が行われない限りは、投資助言業に該当しません。
つまりソフトウェアの売り切りの場合には、投資助言業には該当しませんが、サブスクで継続的に情報提供やサポートが行われる場合は、登録が必要となるため、販売形態には注意が必要です。
特に、メールマガジンやオンラインサロン、セミナー形式での情報提供は、投資助言業に該当する可能性が高くなります。例えば、会員制のサービスであれば、投資助言業登録が求められる場合が多く、具体的な投資判断を提供する場合は、特に注意が必要です。
まとめ
投資助言業に該当するかどうかの判断は、個々のケースによって異なります。
特に、情報提供の形式や内容によっては、助言業としての登録が必要となる場合があるため、事前に金融庁のガイドラインを確認する、専門家の判断を求めることが重要です。
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