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弁護士が明かす!システム開発の契約トラブルによる裁判・訴訟の現実。

システム開発は契約トラブルが尽きない

システム開発は、昔から契約や支払いトラブルが尽きないといわれています。私も、現在システム開発の訴訟を15件ほど抱えていますし、トラブルになって交渉している案件もたくさんあります。主なトラブルとしては、

  • どういうシステムにするかの仕様を固めないまま開発が進み、完成したら、こんなはずではなかったとトラブルになるパターン
  • システム自体は完成したが、バグが多かったため、代金は支払えないとしてトラブルになるパターン
  • ユーザー側の要望の応じて追加機能を実装したのに、追加料金が支払われていないパターン

などなど、挙げればキリないほど、たくさんのトラブルが起こっているのが現状です。

システム開発訴訟の現状

システム開発のトラブルになり、交渉でも決着がつかないとなれば、あとは裁判・訴訟になります。

それでは、システム開発の訴訟は、どのような特徴があるのでしょうか?

システム開発訴訟は、膨大な証拠が提出される

システム開発のトラブルは、その多くが契約当初、お互いにどういう合意があったのかがポイントになることが多いです。

そうすると、提案書,契約書などのほか,仕様書や議事録,メールなどの大量の証拠が提出されることになります。そして、このときに証拠として何を提出するかによって、勝敗が決することも、多々あります。

システム開発訴訟は、時間がかかる

このように、大量の証拠が提出されることが多いので、その分審理が長期化する可能性があります。

スルガ銀行とIBMのシステム開発訴訟では、訴訟の提起から4年たって一審判決が出ました。そして現在も控訴審係属中ですから,最終的な解決がいつになるかは、わかりません。

この事件は、争いになっている金額が数百万円規模の事案なので、かなり長期化していますが、通常のシステム開発訴訟でも、1~2年程度の期間が必要になることが多いのです!

裁判官は素人、専門委員が関与することも

システム開発訴訟で難しいのは、システムの内容を裁判官に分かってもらうこと。裁判官は当然システム開発については素人ですが、判決をするのは、裁判官なので、裁判官にも分かるように説明しないといけません。

一番困るのは、システム開発どころか、インターネットもろくに使ったことがないのではないかと思われる年配の裁判官に当たったとき。裁判官から、「サーバーって、なんですか?」と聞かれたときは、冷や汗が出たことを覚えています。

このように、裁判官の手に負えない事件は、「専門委員」という人に加わってもらうことがあります。これは、システム開発訴訟であれば、ベンダ出身者などの専門知識がある人が、裁判所から任命されて、裁判官をフォローする役目を担います。

システム開発訴訟は、専門知識が必要

以上のようにシステム開発訴訟は、通常の訴訟とは違った側面があります。法律の知識とITの知識を駆使した総合格闘技なのです!