ネットオークションやフリマサイトに出品するに当たり、どのような注意点があるのでしょうか?
以下では、その点について、解説したいと思います。
著作権法では、美術品を譲渡(売買)するに当たり、著作権法施行令及び同施行規則で定める諸条件に従う場合には、当該著作物の写真を写真をオークション・フリマサイトにアップロードすることが可能となります。
この場合には、著作物の出所を明示することが必要とされています。
具体的な基準は、以下の通りです。
オークション・フリマサイトに出品する場合、デジタルカメラで撮影した写真のデータをアップロードすることが通常と思われます。
この場合、画素数が3万2400画素以下であれば、著作権法施行令及び同施行規則で定める基準を満たします。
そのほか、アップロードする大きさが、必要な最小限度のものである必要があります。
書籍や DVD のパッケージなどに、「禁転売」・「転売禁止」といった文言が記載されている場合があります。
これらは購入者に対する転売禁止特約の申込みに当たりますが、購入者は、商品を購入したことをもって、この転売禁止特約を承諾したことになるかは、具体的な状況により異なるものと思われます。
店頭で誰でも購入可能であり、数も多数陳列されているような商品であって、中古品としても広く流通しているような場合にまで、商品に「転売禁止」文言が記載されているからといって、当該商品の購入者が転売禁止特約を承諾したとするのは難しいでしょう。
このように、「禁転売」と書かれた商品をオークション・フリマサイトに出品して販売するに当たっては、出品者が当該商品について転売禁止特約を締結しているといえるか否かが問題となります。
これは、個別具体的な事情から判断する必要があり、仮に出品者が転売禁止特約を締結していると解される場合でないならば、オークション・フリマサイトに出品して販売するとしても特段の問題は生じないと思われます。
インターネット上の会員制サイトを利用する場合の本人確認方法などにおいて、管理者が発行するID・パスワードが使われることがよくあります。
このような ID・パスワードの取扱いについては、発行時に、発行者が定める利用規約等に従うことを約束するのが通常です。そしてID・パスワードに関する一般的な利用規約では、ID・パスワードの譲渡や貸与を禁止していることが多いと思われます。
したがって、上記のような利用規約に同意している場合に、ID・パスワードの発行者の許諾なく、これらをオークション・フリマサイトに出品して第三者に譲渡することは、発行者との関係において利用規約違反となり、発行者から損害賠償請求等を受ける可能性があります。
薬機法は「薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し,若しくは陳列してはならない。」として、販売業の許可なく医薬品を業として販売することを禁止しています。
ここで、「業として医薬品を販売し」とは、「反覆継続して医薬品を不特定又は多数の者に販売することであり、その販売の回数の多少または店舗の開設の有無等は問うところではない。」と解されています。
オークション・フリマサイトに出品して販売することは,「不特定の者」に対する有償譲渡に当たりますので、「反覆継続」して販売する意思があれば「業として」に該当することになります。
例えば,自分で使うつもりで購入した医薬品が偶然不要になったので、1回限り出品するのであれば「反覆継続」を満たさない可能性がありますが、繰り返し出品している場合には、「反復継続」の要件を満たすと判断される可能性が高いと思わす。
また、医薬品のような法律上の規制が及ぶ商品については、オークション・フリマサイト事業者が出品者の資格等を確認することが困難なため、一律に出品を禁止する旨利用規約に定めている場合があります。
このような利用規約が存在する場合,当該利用規約違反となるため、医薬品をオークション・フリマサイトに出品することはできません。