改正民法が、2020年4月1日からスタートします。今回は、契約全般に関わる消滅時効について解説します。
消滅時効とは、相手に対する請求権が、一定期間経過すると、消滅してしまうことです。
つまり、消滅時効の期間が過ぎてしまうと、請求できたものが、請求できなくなってしまうのです。
この、消滅時効の期間についての規定が、今回の民法の改正で変更することになります。
例えば、現行民法ですと、消滅時効の期間が以下の通り、バラバラでした。
請求権ごとに、この請求権はどの請求権に当たるのか。そして「この請求権に当たるから、時効は●年」といった形で、非常に煩雑な管理が必要になっていました。
これが分かりにくいということで、今回の法改正では、時効期間が統一されました。
今回の改正民法では、時効期間が統一化されました。
この「知ったとき」というのがポイントになるのですが、契約上の請求権の場合には、期限が経過が明確で、債権者はそのことを認識しているはずです。
よって、契約上の請求権の場合には、権利者が「知らなかった」ということはできず、実際に権利者が知ってようが、知るまいが、契約上の請求権の時効期間は5年になります。
現状も、企業間取引の時効は5年なので、現状とそこまで変わらないかもしれませんが、その他の請求権も5年になりますので、時効の管理には注意が必要です。
この改正ですが、2020年4月1日以降に発生した請求権が対象です。
例えば「2020年3月1日に、100万円を貸す契約を締結。この契約の中で、2020年4月1日までに返す約束だったが、実際にお金を返さなかった」
この場合には、貸主は、2020年4月2日から返せという請求ができるので、返せという請求権の時効は5年になります。
2020年3月31日までに発生した請求権は、今の民法。2020年4月1日から発生する債権は、改正民法。になりますので、注意してください。
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