最近、大ヒットしたものといえば、松岡修造さんの「まいにち、修造!」(PHP研究所)。ポジティブな標語が書かれている日めくりカレンダーで、100万部以上売り上げました。
この「まいにち、修造!」のヒットを受けて、先日、漫画家の蛭子能収さんも「生きるのが楽になる まいにち蛭子さん」(パルコ出版)を発売しました。
この蛭子さんのカレンダーは、タイトルといい、日めくりカレンダーに一言が書かれているなど、明らかに松岡さんの「まいにち、修造!」を意識したもの。蛭子さん自身も12月初めの出版記念サイン会で「たぶんパクリでしょう」と発言するほどでした。
タイトルや日めくりカレンダーに一言という形式について、著作権や特許権などの法的な問題は発生するのだろうか。
日めくりカレンダーという「形式」や、日めくりカレンダーに一言が添えられているという『アイデア』も、著作権法では保護されません。あくまで著作権法で保護されるのは、アイデアを具体化した個々の表現の部分です。
もっとも、日めくりカレンダーのページに創作性があれば、著作物として保護されます。
また、特許権の対象は、新しく考え出された技術です。日めくりカレンダーは、従来からあるものですし、そこに一言が添えられているというのも、新しく考え出された技術とはいえないので、特許権の対象にはなりません。
「まいにち、修造」の権利者が取れる手段としては、「まいにち、修造」という商品名について、カレンダーの分野などで、商標登録することが考えられます。そうすることで、他の事業者が、「まいにち、修造」とそれに類似する名称を使うことを阻止することができます。
また、他の事業者が『まいにち、修造』という商品名を使っていたり、それと類似している商品名をつけてカレンダーをしている場合には、商標登録をしていなくても、不正競争防止法に基づいて損害賠償などを請求できる可能性があります。