MaaSサービスを提供するには、公共交通事業者等がその保有する情報を提供し、Maasビジネスに参画する事業者間で情報が円滑に連携されることが不可欠となります。
そこで、MaaSガイドラインにおいて、Maasに関連するデータの連携を円滑かつ安全に行うための注意事項等が整理されています。
なお、MaaSはスマートシティ等の地域における様々な取組とデータ連携を行う可能性があるので、MaaSにおけるデータ連携に向けた考え方も、それらの取組との整合性を図ることが望ましいと考えられます。
そこで、MaaS ガイドラインは、Society 5.0 やスマートシティにおけるデータ連携に関する検討で用いられる事業(①戦略・政策②ル ール、③組織、④ビジネス、⑤機能、⑥データ、⑦データ連携、⑧アセット、⑨セキュリティ・認証の各層から成る構造)に沿って整理がされています。
上記のルール層に関して、MaaSにおいて MaaS 関連データの連携を行う上でのルールが整理されています。
MaaS関連データは、以下の4つに分類されます
そして MaaS 関連データのうち、MaaS の関係者がどの範囲のデータをどのような態様で MaaS プラットフォームに提供するべきかに関し、MaaS ガイドラインは、MaaS 関連データを、以下の通り、「協調的データ」と「競争的データ」に分けて整理しています。
MaaS関連データのうち、各MaaSにおいて設定された最低限のルール等(プラットフォームの利用規約等)に基づき、 当該MaaSプラットフォームを利用する全てのデータ利用者が利用可能なものとして、当該プラットフォームに提供等が行われるデータ
MaaS関連データのうち、当該データの提供者との契約等により個別に共有が行われるものとして、各Maas プラットフォームに提供等が行われるデータ
その上で、MaaS ガイドラインは、MaaS の関係者は、MaaS関連データを、概要以下の通り、MaaS プラットフォームに提供等を行うよう努めると述べています。
一般利用者がMaaSを利用した際に、経路検索や座席等の予約・決済に係る移動関連データが、MaaS プラットフォームに蓄積されますが、移動関連 データは、MaaS を提供することによって得られる、人の移動に係る有益な情報です。
データ提供者は、MaaS関連データをMaaS プラットフォームに提供することが要請されますが、その対価やインセンティブが必要であることから、 MaaS ガイドラインは、そのような移動関連データについては匿名化等の必要な処理を施した上で、プラットフォーム運営者及びデータ提供者に提供さ れることが望ましいと述べています。
併せて、MaaS ガイドラインは、地方公共団体が地域の交通計画やまちづ くり計画等の策定のために用いる場合には、その求めに応じ、移動関連デー タが提供されることが望ましいとも述べています。
MaaS関連データの取扱いに加え、MaaS ガイドラインは、MaaS の関係者であるデータ提供者、MaaSプラットフォーム運営者、データ利用者の相 互間での連携や各関係者におけるデータの管理方法等についても述べています。
たとえば以下のようなことが定められています。