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他者コンテンツのリンクを張る行為は法律(著作権法)的にOKですか?【2023年12月加筆】

著作権に関する法律

他者コンテンツのURLを自社のサイトで張り付けても、大丈夫ですか?

他者コンテンツを紹介するために、他者コンテンツのURLを自社サイトに張り付けるのは、法律(著作権)的にOKなのでしょうか?

もともと、リンクURL自体は「著作物」ではありません。

また、リンクを張る行為は、ユーザは当該URLをクリックすることにより、リンク先のウェブサイトが表示されることになります。

ユーザは、リンク先のウェブページのデジタルデータを当該ページのサーバから受け取ることになるため、公衆送信や複製が行われるわけではないので、著作権侵害することはありません。

よって、ウェブサイトに他者サイトのリンクを張る行為は著作権侵害や著作権人格権侵害とはならないと考えられ、リンク先の許諾は必要ありません。

リンク先のサイトでリンク貼り付けを禁止している場合には

上記のように、リンクを張る行為自体は、著作権法上、問題はありません。
ただ、リンク先のウェブページの管理者が、リンクは張るのを禁止している場合に、リンクを張ってもいいのでしょうか?

この場合には、リンク先のページで、リンクを張らないといった利用規約に同意をしていた場合には「リンク張らない」ことが契約上の約束になりますので、自社サイトに当該リンクを張ると契約違反になってしまう可能性があります。

リンク先のコンテンツが違法にアップロードされたものであった場合には

では、リンク先のコンテンツが著作権を侵害しているような違法コンテンツだった場合に、そのような違法コンテンツのURLを張る行為は、著作権侵害しているものとして、不法行為にならないのでしょうか?

ここで、平成25年6月20日大阪地裁判決では、違法コンテンツのURLを張る行為自体に、著作権侵害の幇助行為になりうることを認めています。

ただし、この判決では、張り付けたURLが、違法にアップロードされていることが明らかでないコンテンツのURLであったこと、違法コンテンツであったことが分かった時点で、直ちに削除していることがから、結論的には、リンクを張った人に対して、不法行為の成立を否定しました。

そうすると、違法コンテンツのURLを張る場合、以下の点において著作権侵害の幇助とされる可能性があります。

  • 一見して違法コンテンツだと分かるコンテンツを張る
  • 違法コンテンツであると警告されたにも関わらず、当該警告を無視してリンクを張ったままの状態にする

何がOK?何がNG?かを見極める

以上のように、リンク張り付ける場合でも、ルールがあります。

このようなルールを知らず、後からビックリというのが一番怖いです。是非、ルールを知って、しっかり対策をしていきましょう!