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【弁護士解説】今後の仮想通貨・ICOの法律的規制。金融庁「仮想通貨交換業等に関する研究会」を参考に。

仮想通貨・デジタル通貨に関する法律

金融庁「仮想通貨交換業等に関する研究会」が開催

2018年4月10日に、金融庁で「仮想通貨交換業等に関する研究会」が開催されました。

この研究会は、昨今の仮想通貨交換業の不祥事への対応やICOへの法律的規制についてを議論するために開催されたものです。

この研究会での議論は、今後の仮想通貨の法規制の方向性を決める非常な重要な場所になります。

そこで、今回は、金融庁で「仮想通貨交換業等に関する研究会」でどのような議論がされたのか、今後の法規制はどうなっていくのかをみていきます。

今後の規制がされる分野は3つ

今回の研究会においては、事務局説明資料が付けられています。

その中で「仮想通貨交換業等に関する研究会」の設置についてというところは、以下のような記載があります。

コインチェック株式会社が、不正アクセスを受け、顧客からの預かり資産が外部に流出するという事案が発生したほか、立入検査により、みなし登録業者や登録業者における内部管理態勢等の不備が把握された。また、仮想通貨の価格が乱高下し、仮想通貨が決済手段ではなく投機の対象となっている中、投資者保護が不十分であるとの指摘も聞かれる。さらに、証拠金を用いた仮想通貨の取引仮想通貨による資金調達など新たな取引が登場しているという動きも見られる。こうした状況を受け、仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について制度的な対応を検討するため「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置する

つまり、この研究会で、話し合われることは、以下の3つになります。

  • 仮想通貨交換業についての審査基準の見直し
  • ICOなどの仮想通貨による資金調達の規制
  • 証拠金を用いた仮想通貨の取引(レバレッジ取引)規制

以上の3点については、今後規制の対象になっていくということなのです。

今後の仮想通貨交換業についての法律的規制

本研究会では、仮想通貨交換業の登録についての議論が交わされました。

仮想通貨交換業の登録業者で組織される「仮想通貨交換業協会」から「仮想通貨取引についての現状報告」という資料が出されています。

この資料は、国内の登録業者14社とコインチェックなど「みなし業者」3社が情報を提供したもので。主要な取引所が共同でデータを公表するのは、初めてのことです。

本研究会の中では、コインチェック事件を受けて、仮想通貨交換業登録の審査基準のハードルを上げるべきではないかという意見が出ていました。

金融庁としても、コインチェック事件を受けて、審査基準の見直しに着手しているとのことです。審査基準のハードルとしては、特にシステムリスクについての審査基準を上げるということが想定されています。

金融庁としては、6月~7月を目途に新たな審査基準を策定するとのことでした。

ただし、新たな審査基準を作るといっても、今までの申請と全く変わるわけではなく、今までの申請資料+新たな審査基準という形になるそうです。

現在申請している企業及び新規での申請を目指す企業は、最新の情報をチェックしていく必要があります。

仮想通貨交換業登録申請の具体的な注意点は「仮想通貨交換業者「みなし業者」が登録申請の取り下げへ!仮想通貨交換業登録の最新状況とは」を、ご参照ください。

今後のICOなどの仮想通貨による資金調達の規制

今回の研究会での大きな議題として、挙げられているのが、ICOへの規制です。ICOの現状と日本で行う方法については「【法律解説】金融庁がICOの規制強化へ!ICOの法律の現状と日本で行う方法」で解説しています。

ICOについては、日本において、金融庁の解釈により、実質的に規制されている状態ですが、ICOの法律はありません。

今回の研究会では、みずほ証券から「ICO(Initial Coin Offering)のご説明」という資料が出され、ICOとは何か、ICOの現状が説明されています。

今回の研究会では、ICOの規制案について、以下のような議論がなされました。

  • ICOのトークンについて、どのような場合に、法律上の「仮想通貨」に当たることを明確化するべきではないか
  • ICOをする際のホワイトペーパーでの情報開示の義務づけ
  • 当局によるモニタリングの提案

ただ、ICOについては、規制するべきという意見ばかりではなく、「ICOのメリットにも目を向けながら規制を設けるべき」という意見も出されています。

今後の海外ICOへの規制は

海外ICOについては、研究会でも日本国内だけで禁止しても、ICOが行われている海外のWebサイトへはアクセスでき、遮断は技術的に難しいという意見が出されています。また、日本人が海外ICOの購入を規制するのは、難しいという意見が出されています。

現状の法律でも、日本人が海外ICOを購入することは禁止されていないですし、実際、ICOが行われている海外のWebサイトへはアクセスできてしまうので、規制は難しいのではないかと思います。

本研究会でも、今後ICOの規制については、今後の議論を深めていくということでした。

ICOについては、今後ルール作りが必ず進んでいきます。常に最新情報をチェックするようにしましょう。

今後の証拠金を用いた仮想通貨の取引(レバレッジ取引)規制

仮想通貨取引についての現状報告」によると、17年度の国内での仮想通貨取引量は、69兆1465億円。そのうち、証拠金・信用・先物取引が、56兆4325億円と8割以上を占めています。

証拠金・信用・先物取引の中でも、仮想通貨FXのような証拠金取引が97%を占めていて、仮想通貨FXの需要の高さがうかがえます。

この研究会では、こうした現状を受けて、仮想通貨FXのような証拠金取引についての議論がなされました。

研究会のメンバーからは「高倍率のレバレッジは、ギャンブルに近い。そんなものを認めていいのか」という意見が上がりました。

将来的には、仮想通貨FXのような証拠金取引については、レバレッジの規制がかかるものと思われます。

今後、日本で取り扱う仮想通貨(ホワイトリスト)について

最後に、今後、日本で取り扱うことができる「仮想通貨」についても、議論がされました。日本で取り扱うことのできる仮想通貨についての規制については「日本で新たな仮想通貨(コイン・トークン)を販売する上での法律的規制とは」を参照してください。

この研究会では、匿名性が高くマネーロンダリングに悪用されるリスクがある仮想通貨「DASH」「Monero」などの取り扱いを制限するべきではないかという意見が出されました。

今後、匿名性が高い仮想通貨は、日本での取扱いが厳しくなる可能性があります。

今後も続く「仮想通貨交換業等に関する研究会」には、注目

今回は、第一回目でしたが、この研究会は、今後も続いていきます。

今後の規制の方向性を決める重要な研究会ですので、最新情報はチェックするようにしましょう!


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