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会議室・空きスペースのシェアサービスの法律について弁護士が解説 

IT企業のための法律

会議室・空きスペースのシェアサービスの法律

コロナ禍でオフィス物件が空いた分、それを時間貸しするサービスも出てきています。また時間貸しの会議室などの需要も増えています。

会議室及び空きスペースのシェアにはどのような法規制があるのでしょか?

会議室などのシェア

いわゆる会議室のシェアとは、オーナーが所有している会議室や宴会場といった建物スペースを、不特定多数のユーザーに対して、一時的に利用するために賃貸し、有効利用するような形態のことです。

貸し会議室を単独で営む法人のほか、遊休スペースの有効活用を望む不動産オーナーなど、さまざまなオーナーがこの取引形態に参画して事業を行っています。

会議室のシェアと借地借家法について

会議室のシェアに関する法規制としては、主として借地借家法が適用されるかどうかが問題となります。

通常土地や建物の賃貸借契約は民法によって規制されていますが、借地・借家人保護の観点から、借地借家法の修正を受ける場合があり、具体的には賃貸借期間や更新について、賃借人に有利な規制がなされています。

借地借家法の適用がある「建物」の賃貸借に当たるか否かは、障壁その他によって他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するか否かがポイントとなります。

独占的排他的支配が可能とはいえないスペースの利用に関しては借地借家法の適用はなく、施設又はサービスの利用権を定めるものと構成する例が多いです。

もっとも、一時使用目的の建物の賃貸借(借地借家40条)の場合には、借地借家法第3章「借家」の規定は適用されません。

一時使用かどうかの判断は、「必ずしもその期間の長短だけを標準として決せられるべきものではなく、賃貸借の目的、動機、その他諸般の事情から当該賃貸借契約を短期間内に限り存続させる趣旨のものであることが客観的に判断される」とした最高裁判例があります。

借地借家法の適用があるとした場合でも一般に会議室を時間単位で一時的に利用する場合には、一時使用目的の建物の賃貸借(借地借家40条)に当たると考えられています。

飲食物提供サービスについて

食品衛生法上の規制について、一般的に飲食物の提供サービスを営業として行うためには「食品」の「販売」をすることになるので、厚生労働省令で定めるところにより、食品衛生法上の都道府県知事の許可を受けなければなりません(食品衛生52条)。

そして上記の「食品営業許可」を受けるには、次に記載される①人に関する観点からの条件と②施設に関する観点からの条件の2つの条件を満たさなければなりません。

人に関する条件

1つ目は、食品衛生責任者の資格をもった者を店に1人以上置くことが求められます(食品衛生48条)。食品衛生責任者とは,店で、食品の衛生管理を行う者で衛生環境の法令適合性を管理します。

原則として、店ごとに1人以上の食品衛生責任者をおかなければならず、複数の店舗を兼任することはできません。食品衛生責任者となるためには、食品衛生協会が実施している講習を受けなければなりません。

施設に関する条件

2つ目は、食品衛生法51条に基づいて都道府県ごとに定められた基準に合致した施設で営業をすることです。実際に営業を開始するにあたっては、保健所の担当者が実際に店舗の検査に臨場します。

飲食物提供サービスの食品衛生法上の規制の適用について食品衛生法上「営業」とは「業として」食品を調理したり、販売すること等とされます。

またこの「業として」とは「ある者の同種の行為の反復的継続的遂行が社会通念上の事業の遂行とみることができる程度のものである場合を指す。使用行為自体は一回限りとみられるものであっても、相当多数が行われる場合には個々の使用行為が反復継続するものとして、これに該当する」ものとされます。

貸しスペースを提供するなどの場合に、オーナー側が併せて,、飲食物提供サービスを行うケースは、通常反復継続的に実施されるものと考えられます。したがって「業として」に該当し、営業許可が必要となると考えられます。