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Webサイトのドメイン紛争を解決する「JPドメイン名紛争処理手続」とは【弁護士の解説】

相手のドメインを自分のものにしたい!
私たちが日常的に使用しているドメイン(WebサイトのURL)。事業者にとって、サービス名、店舗名で、ドメインを取得したいと思うでしょう。
しかし、自社のサービス名でのドメインが取得されていた場合、同じドメインを取得することができません。
事業者が、先にサービスをリリースをしていた場合、商標権などの取得していた場合に、全く関係ない人が、先にその名称のドメインを取得している場合もあります。
そのような場合、権利を持っている事業者が、ドメインの取得をすることは無理なのでしょうか。
それを、可能にするのが、JPドメイン名紛争処理手続です。
JPドメイン名紛争処理の手続のポイント
では、JPドメイン名紛争処理手続は、どのように行っていくのでしょうか。
JPドメイン名紛争処理手続を行うのは、日本知的財産仲裁センターです。そして、JPドメイン名紛争処理手続については、以下のページに詳細が記載されています。
ここでは、手続きの流れをみていきましょう。
申立書を作成、提出
まずは、申立書を提出する必要があります。申立書の記載方法は、以下のページから、ダウンロードすることができます。
申立書記載の注意点としては、こちらに記載されている書式の通り、忠実に記載してください。
記載するのが面倒だからといって、勝手に、項目を削除したりしないでください。
また、赤文字で記載されているところは、申立書を記載する上で、必要な事項が記載されていますので、よく読み、理解する必要あります。
申立の理由とは
特に、注意する必要がある項目は、「4.申立の理由」です。
JPドメイン名紛争処理で、認められる一例は、以下のような場合です。
- 自社が商標権を持っている名称が、他者でドメインが取得されている
- 自社がサービスリリースしていて、一般にも浸透しているサービス名が、他者でドメインが取得されている
商標権を持っているのであれば、その商標登録証を証拠として、提出する必要があります。
また、自社がサービスリリースしていて、一般にも浸透しているサービス名の場合には、当該サービス名が表示されているサイトのURLなどを掲載する必要があります。
また、相手方が、権利を侵害している事実を記載する必要があります。
ここは、申立書の言い分は、原則として、申立書の1回しか提出できません。ここで、不十分な主張しかできないと、申し立てが認められない可能性もあります。
特に、申立の理由の要になる部分ですので、きちんと記載するようにしましょう。
求める救済処置とは
「求める救済措置」とは、JPドメイン名紛争処理での結果、何を求めるかを明記する必要があります。JPドメイン名紛争処理で求めることができるのは「ドメインの移転または取消」を求めることになるかです。
そのドメイン自体を、自社に移してほしい場合には「ドメイン移転」を選択し、すでに自社でドメイン取得していて、ドメインを消してほしいという場合には「ドメインの取消」を選択します。
申立時に必要な書類
申立時に必要な書類としては、以下の3つが必要です。
- 申立書
- 証拠の一覧及び説明書
- 代表者の資格証明
もし、申立書や書類がある場合には、仲裁センターから通知が来てから、5日以内に、補正する必要があります。
JPドメイン名紛争処理の費用
ドメイン紛争の費用は、どうなっているのでしょうか。
申立手数料は、パネリストと呼ばれる、「裁判官」のよう役割をする方が1名の場合には、18万円(税別)、パネリスト3名の場合には、36万円(税別)です。
パネリスト1名、3名のどちらがいいかというのは、議論が分かれるところですが、パネリストは、弁護士などの法律の専門家です。
お金の問題もありますが、パネリスト1名でも、十分かと思います。
JPドメイン名紛争処理の手続き
では、JPドメイン名紛争処理の手続きはどうなっていくのでしょうか?申立書を提出した後、どうなっていくのでしょうか。
手続きは、「JPドメイン名紛争処理の手続き」に記載されています。
手続きの流れとしては、申立書を提出し、相手方は答弁書を提出します。申し立てから、結果が出るまでは、最短で1ヶ月半~2ヶ月程度です。
ドメインの移転または取り消しが認められる決定がでた場合に、決定から10日以内に、それに不服の元々のドメイン登録者は、裁判所に訴えることができます。
その裁判が行われない限りは、ドメインの移転または取り消しが認められることになります。