IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
グローウィル国際法律事務所
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IT弁護士の法律相談(1)~歌詞って、勝手に載せていいの?~

皆様も、心に残る名曲って、ありますよね?

私は、ミスチルが大好き!

特に、「終わりなき旅」という曲の

「高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな♪」

という歌詞には、司法試験受験時代、大いに励まされました。

「壁を上ったとき」は、うれしかったです♪

ん!?ちょっと待って!

思い出に残った歌詞があるのはいいんですけど…

SNSやブログに歌詞を無断で載せていいのでしょうか?

著作権とかの問題になるのでしょうか?

 

結論からいうと…

著作権侵害になりえます!

楽曲の歌詞は、立派な「著作物」なので…

SNSやブログなどに無断で掲載することは、

著作権違反となるのです。

そうだったのかー!

しかし…著作権法32条1項では、

「公表された著作物は、引用して利用することが出来る」として、

「引用」と言える場合には、著作権者の許諾なく、

SNSやブログなどに載せていいとされているのです。

では、どういった場合に、「引用」と言えるのでしょうか。

SNSやブログなどのソーシャルメディアで、

引用が問題となった事例はないのですが、

従前の判例からすると、

明瞭区分性

②主従関係

がポイントになります。

①明瞭区分性とは

自分の文章と他人の著作物を明確に区別する。ということ

例えば、

・歌詞の部分をきちんとカッコで括る

・出典を明らかにする

などが必要です。

きっちり分けましょう!

②主従関係

自分の文章と他人の著作物との間で、

「質」と「量」とも、

自分の文章が「主」、

他人の著作物が「従」

という関係にあることが必要です。

主従関係は、大事です!

この点、どの程度の分量であれば許されるのかは、

明確な基準はありません。

ただ、量的なことでいえば、歌詞の引用が全体の半分以上であると、

主従関係の要件を満たさない可能性が高くなります。

このほかにも、

③利用目的、著作権者への影響

なども考慮している判例もあります。

例えば…他人の著作物を引用して、お金儲けしている場合

などは、アウトとされる可能性が高いですね…。

このように、色々な要素を考慮して、適法違法が判断されるのです。

SNSやブログは、誰もが発信できるメディアです。

知らない間に、法律違反していた…

なんてことのないように押えるべき点は押さえておきましょう(_)ゞ