2017年に施行される仮想通貨法ですが、金融庁からガイドラインが発表されました!
参考資料:金融庁ガイドライン
内閣府令については、
仮想通貨法の内閣府令及びガイドラインを弁護士が解説!仮想通貨交換業への登録のためにすることとは?
このガイドラインでは、仮想通貨法について、行政からの監督のポイントが詳細に記載されています。仮想通貨事業者は、確認必須の資料です!
かなり詳細に規定されているので、ブログでも何回かに分けて解説をしますが、今回は、金融庁が考える2つのポイントについてです。
「仮想通貨」と一言で言っても、様々な種類があります。
仮想通貨法の「仮想通貨」に当たらなければ、今回の仮想通貨法の適用を受けないので、法律にいう「仮想通貨」とは何かを理解することは、とても大事です。
法律上の仮想通貨の定義の詳細は「「仮想通貨」の定義とは?仮想通貨規制法案の概要をIT弁護士が解説!」で解説をしましたが、ポイントは、ゲーム内通貨やポイント制との区別になります。
ゲーム内通貨やポイント制なども「仮想通貨」という言い方をしますが、これらは、仮想通貨法にいう「仮想通貨」とは別のものです。
※仮想通貨法が成立前の記事ですが、以下を参照
「仮想通貨・暗号通貨と資金決済法の「前払式支払手段」(電子マネー)との違い」
「仮想通貨」に該当するかのポイントは、以下の2つです。
ガイドラインでは、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる」ことを判断するに当たっては、以下の事項を考慮するとされています。
つまり、特定の発行者がいて、その発行者が認めた範囲内で使用できる場合には、「仮想通貨」には該当しないのです。
また「不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる」ことを判断するに当たっては、以下の項目について申請者から詳細な説明を求めることとしています。
こちらも特定の発行者がいて、特定の発行者が、法定通貨との交換を制限している場合には「仮想通貨」には該当しないのです。
「仮想通貨」に該当しない場合には、資金決済法上の前払式支払手段に該当する可能性があり、該当すれば、「前払式支払手段」の規制(登録制や供託義務)などが発生しますので、注意が必要です。
今回の法律では、「仮想通貨交換業」に該当すれば、行政への登録など、様々な規制を受けることになります。
そこで、「仮想通貨交換業」に該当性するかですが、法律上は、以下の行為を「業として行う」ときに、該当するとされています。
詳しくは「規制の対象となる「仮想通貨交換業」とは〜弁護士が日本初の仮想通貨規制法を読み解く~」をご参照ください。
まず「業として行う」とは、「対公衆性」のある行為で「反復継続性」をもって行うことをいうものとされました。
よって、個人間で、一回きりの売買には該当しません。個人間で、不定期に少量の売買をするのであれば、仮想通貨交換業に当たらないと考えてよいでしょう。
また、仮想通貨交換業の登録に当たっては、以下の2つについて、申請者に対して詳細に説明を求めるとしています。
この適切性が判断にするに当たっては、次のようになっています。
当該仮想通貨の仕組み、想定される用途、流通状況、プログラムのバグなどの内在するリスク等に ついて、申請者から詳細な説明を求めることとするほか、こうした観点から、利 用者からの苦情や、認定資金決済事業者協会の意見等の外部情報も踏まえて判断する。
仮想通貨の仕組み、想定される用途、流通状況、プログラムのバグなどの内在するリスクなどは、きちんと整理して、説明できるようにしておきましょう。
ガイドラインでは、これまで法規制の対象外とされてきた仮想通貨ビジネスについて、新たな規制の可能性について、言及しています。
仮想通貨の交換等を行う者が、金銭の移動を行うことを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行する場合には、為替取引を行っているとして、法第37条に基づく資金移動業者の登録が必要となり得ることに留意する。
仮想通貨交換業にあたり、仮想通貨を使った送金決済サービスを行う場合には、資金決済法上の資金移動業者の登録が必要になる可能性があります。
仮想通貨を用いた信用取引等を行うに際して、仮想通貨交換業者が利用者に対する金銭の貸付けを行うときは、当該仮想通貨交換業者は貸金業の登録を受ける必要があることに留意する。
今までは、仮想通貨については、既存法の適用は受けないとされていましたが、仮想通貨法が施行されるに伴い、法規制が整備されていくことになります。
金融庁から発表されたガイドラインは、80ページ以上にも及ぶ大作です。その中には、事業者が遵守すべき内部体制の整備やマネーロンダリング対策など、盛りだくさんな内容です。
今後も、当ブログで解説をしていきます!