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自社コンテンツに著作権が認められない場合でも、損害賠償することはできるか?【2023年12月加筆】

コンテンツが著作物に該当しない場合でも、損害賠償可能?
自社のコンテンツが、パクられた場合、損害賠償などをしたいと思うのは、当然でしょう。
しかし、そのためには、自社コンテンツが、著作権法上の著作物に当たる必要があります。
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著作物に当たらないと、著作権法に規定されている差止請求や損害賠償請求ができないことになります。
しかし、著作物性が否定され、著作権の対象とはならない情報であっても、一般不法行為(民709条)が成立する余地があります。
不法行為の成立が認められる要件
では、著作物ではなくても、不法行為の成立が認められるのでしょうか?
裁判例では、著作物性が否定されても、不法行為が認められる例は、そんなに多くありません。
- データベース
- ソフトウェア
- ニュース記事の見出し
上記の3つについて、具体的な事案の下で、実際に一般不法行為の成立を認めた裁判例が存在しています。
ソフトウェアの盗用が問題となった事例で、ソフトウェア自体の著作物性は否定されましたが、当該ソフトウェアは、フォントやセル数についての試行錯誤を重ね、相当の労力及び費用をかけて作成したものである」としたうえで、そのようなソフトウェアを盗用することは、「営業活動上の利益を侵害する」ものとして、不法行為を構成するとしました。
例えば、ニュース記事の見出しが問題となった事案では、ウェブサイトに掲載された新聞社作成のニュース記事の見出しと同じ語句のリンク見出しを自社のウェプサイ卜に設置して、当該リンクの見出しをクリックすること等により新聞社作成のニュース記事を閲覧できるサービスを展開した行為に対して「社会的に許容される限度を越えたものであって、…不法行為を構成する」として一般不法行為の成立を認めました。
上記のように、不法行為の成立を認めた事案では、対象となる情報の作成のために多大な費用や労力を要することやコンテンツの盗用により、原告の営業活動が侵害されていることなどがその要件として挙げられています。
また、コンテンツの盗用により、営業妨害が発生している場合には、不法行為が成立可能性があります。
コンテンツ侵害に、不法行為が成立した場合の効果
不法行為が成立した場合、相手方に対して、損害賠償請求を行うことができます。
ただし、著作権侵害の場合には、損害賠償請求のほかに差止請求を行うことが可能ですが、不法行為の効果として、通常は差止請求を行うことはできません。