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弁護士が解説!120年ぶりの民法改正が「システム開発」に与える影響とは

システム開発のための法律

民法改正がシステム開発の分野にどのような影響を与えるか

120年ぶりの民法改正がされました。 今回の改正は、「契約問題」に関する部分の改正なので、IT業界でも様々な分野に影響があります。

その一つが、システム開発の分野。 そこで今回の民法改正が、システム開発の分野にどういった影響があるのか見ていきます。

そもそもシステム開発でよくある契約とは

システム開発で多く締結されているのが「請負契約」か「準委任契約」です。

今回の民法改正では、この契約についての規定も変更されています。

そこで、そもそも「請負契約」「準委任契約」とは、どのような契約なのか見ていきましょう。

請負契約とは

請負契約は、仕事を完成させることが義務付けられていることがポイントです。ベンダ側は、仕事を完成させて、初めて報酬がもらえる契約になります。

システム開発では、主に内部設計や製造、単体テスト、結合テストを請負契約で発注する。その他にも、状況に応じて請負契約を結ぶ場合がある。

準委任契約

準委任契約は、仕事が完成させることが義務ではありません。 業務を処理することが契約内容となります。

典型的な例がSES契約で、人工と単価で料金が決まるのが、準委任契約です。

つまり、請負契約と違い、労働力や技術力を提供することが義務なのです。ベンダ側としては、プロとして、きちっと労働力を提供すれば、義務は果たしたことになります。

実際のシステム開発では、請負か準委任のどちらかが採用される場合もありますし、要件定義は準委任、開発段階は請負契約と段階ごとに分けて、規定されることもあります。

民法改正で、ここが変わる

システム開発の請負契約、準委任契約ついて、今回の民法改正で以下の点が変更になりました。

瑕疵担保責任の規定

従来の規定では、瑕疵担保責任という規定がありました。 「瑕疵」とは「欠陥」のこと。欠陥があった場合に、契約の解除や損害賠償ができますというのが、瑕疵担保責任です。

改正法では、「瑕疵」という言葉に代わり「契約不適合」という言葉に変更になりました。 契約不適合とは、システムが未完成であったり、重大なバグがあることをいいます。

法律が変わった点は以下の通りです。

  1. 「代金の減額請求ができるようになった」…従来は、契約解除や損害賠償請求だけだったのですが、改正法では、ベンダ側の成果物が、契約不適合だった場合には、ユーザは、不具合の大きさに応じて、ベンダ側に支払う代金の減額を請求できることになりました
  2. 「責任追及できる期間が長くなった」…従来は、成果物を引渡し後の1年以内に責任追及をする必要がありました。 しかし、改正法では、不具合があったことを知ったときから1年間となりました。

システム開発の現場では、後から不具合が発見されることが多いですが、ユーザが不具合を発見したときから責任追及が可能になったので、ユーザからベンダへの責任追及期間が延びることになります。

ただし、責任追及の期間には上限があり、引渡しから最大5年以内です。

プロジェクト中断した場合でもユーザに支払い義務が

上記でも記載しましたが、請負契約は、仕事の完成が義務づけられてます。 よって、ベンダ側は、契約通りの成果物を受け取って、初めて報酬がもらえます。

しかし、改正法では、ベンダ側の途中まで作成した成果物で、ユーザ側に利益が得られた場合には、ユーザ側が、プロジェクトが中断した場合でも支払い義務があると明文化されました。

例えば、開発を中断した場合でも、ユーザがシステム開発を別の企業が引き継いで完成させた場合には、途中まで開発したベンダは、報酬を受け取ることができるのです。

成果報酬型の準委任が規定される

上記で、準委任契約では、仕事の完成が義務ではなく、業務を処理することが義務であると記載しました。

しかし、改正法では、準委任契約でも、仕事の完成を義務付ける契約形態が明文化されました。

当事者の契約によって自由に変更できる

これまで、改正法について、解説してきましたが、上記の規定は、当事者の契約で変更することができます。

つまり、法律内容よりも、当事者の契約内容が優先されるのです。

例えば、改正法では、バグなどの無償修正について、「ユーザ側が不具合を知ったときから、1年間」と規定されましたが、契約で、改正前民法のように「引渡しから1年」と定めれば、こちらの規定が優先されます。

改正民法の規定は、当事者が契約などで規定しなかった場合に、適用されることになるのです。
そのため、改正民法の内容を知ったうえで、当事者でどのような契約を締結するのかが非常に重要になってきます。

必要なのは契約の見直し

改正民法は、120年ぶりの改正であり、200項目にも及ぶ大改正です。 何が改正されたのかを知り、それに対して、どういう契約を結ぶのか、企業は慎重に検討する必要があるのです。


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