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弁護士が語る システム・ソフトウェア開発でトラブルを防ぐために知っておくべき法律vol.3

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契約書が作成される前に作業に着手してしまった…

美鈴「もう本当に信じられない!」
中野「美鈴さん、お怒りですね!どうしたんですか?」
美鈴「ユーザから「御社にお願いすることにした」と言われたので,さっそく提案書に沿って要件定義作業に着手したんです。
2カ月ほど作業して要件定義フェーズが終わろうとした頃にユーザから、「取締役会で認められなかったので,作業を中止してくださいって…」
中野「契約書は、作成してなかったのですか?」
美鈴「契約書のやり取りに時間がかかっていて、署名捺印はしてなかったのよ~。これって、今までやった分の代金を請求できないのかしら」

中野こういうトラブルは、システム・ソフトウェア開発の現場では、よく起こるのです。」

契約の成立には書面は必要ないけど…

美鈴「契約の成立には、書面は必要ないんですよね?」
中野「法律上,契約の成立には、契約書の取り交わしは必要ありません。しかし,システム・ソフトウェア開発のように,
金額が大きく,その内容も個別的な契約については,作業内容,報酬が書面によって確認された段階で契約が成立したとみるのが裁判での傾向なのです。」
美鈴「そうすると、
契約書が取り交わされていない場合には、契約の成立が認められにくい。そうすると、書面がないまま作業に着手することは、ベンダにとってはリスクなのね。」

契約が成立していない場合の救済

中野「契約書などの書面がなくて、契約が成立しているといえない場合でも,「契約締結上の過失」という論理によって,それまでに要した費用を損害賠償請求できるケースがあります。これは、契約を締結する強い期待を抱かせたにもかかわらず、契約をしなかった場合に、相手方に一定の責任を認めようというものです。ただ、これも全ての場合に認められるわけではないので、専門家に相談する必要があります。」

契約書面を取り交わし前に作業に着手する場合の、取りうるリスクヘッジ

美鈴「ソフトウェア開発の現場では、契約書の取り交わし前に着手せざるを得ない場合があります。この場合には、どのように対処すればいいのでしょうか。」
中野この場合には、契約書が取り交わされる前にプロジェクトがとん挫した場合備えて、「契約締結上の過失」が相手方に認められるよう,契約締結に向けた強い期待が生じていたという事情が認められるために,「発注内示書」など(書面のタイトルは問いません。)の書面を交付してもらうことが考えられます。

中野「その書面には,
「契約書の取り交わしに先立ち,●●の着手をお願いします」
「●●の着手後,契約書が取り交わされなかった場合には,着手後に貴社に生じた費用を精算するものとします」
といった事項を記載しておくことで,万が一の際のリスクヘッジになるのです。 」


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