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横浜市のHPリニューアルがストップ!ベンダ側やユーザ側の責任はどうなるの?

システム開発のための法律

横浜市のホームページのリニューアルがとん挫!

横浜市が市のホームページ(HP)をリニューアルしようとして、システム開発請負事業者とトラブルになっているというニュースが出ました。

参考記事:横浜市のHP刷新が頓挫 システム業者とトラブル

システム開発トラブルは、よくあることですが、このように途中でプロジェクトがとん挫した場合、誰がどのような責任を取るのでしょうか?

ベンダ側、ユーザ側、どちらの責任?

このような場合に、ベンダ側、ユーザ側のどちらに責任があるのでしょうか。このときに、問題になるのが、ベンダ企業のプロジェクトマネジメント義務とユーザ企業の協力義務です。法律の条文に規定されている義務ではなく、判例上、認められている義務になります。

ベンダ企業のプロジェクトマネジメント義務とは

システム開発において、ベンダ側は,システムを完成させる義務を負うことは当然です。

それだけでなく、システム開発の専門家として、システム開発の進行を円滑に進め、問題が起こらないようにし、適宜ユーザの意見を調整し、開発作業を進行させるという「プロジェクト・マネジメント義務」があるとされています(東京地裁平成16年3月10日判決,東京地裁平成24年3月29日判決)。

プロジェクトマネジメント義務のポイントは、次の2つです。

①「納入期限までにシステムを完成させるように、契約書及び提案書において提示した開発手順や開発手法、作業工程等に従って開発作業を進めるとともに、常に進捗状況を管理し、開発作業を阻害する要因の発見に努め、これに適切に対処すべき義務」(以下「進捗管理・阻害要因排除義務」といいます。)

②「注文者であるユーザーのシステム開発へのかかわりについても適切に管理し、システム開発について専門的知識を有しないユーザーによって開発作業を阻害する行為がされることのないようユーザーに働きかける義務」(以下「発注者管理義務」といいます。)

この2つをベンダ側が満たしているのかが問題になるのです。

ユーザ企業の協力義務とは

これに対して、ユーザー側も、ベンダ側に任せっぱなしでいいかというと、そんなことはありません。

判例では、システム開発は、ベンダとユーザとの共同作業であるためユーザ側にも、システムの開発に向けて,ベンダの作業に協力する義務があるとされています。

例えば、要件定義段階では、どのような機能を要望するのかを明確にベンダ企業に伝える。
ベンダ企業とともに、要望する機能について検討して、最終的に機能を決定する。

設計段階では、画面や帳票を決定する。 検収段階では、きちんと期限までに検収作業を実施するということが求められています。

どちらに責任があるかの証拠は

システム開発が途中でとん挫した場合に、システムが完成しなかったのは,どちらの責任かということが争われることになります。ベンダ側、ユーザ側とも上記義務があるのですから、それを果たしていたのかがポイントになるわけです。

では、ベンダ及びユーザが、義務を果たしていたかをどうやって判断するのでしょうか?

これは、お互いのやり取りのメールなどが証拠になりますが、有力な証拠になるのが「議事録」です。

実際の裁判でも、議事録に基づいて当時のプロジェクトの進捗,課題状況,役割分担の実施状況などの事実認定されています。

よって、紛争を防止する観点からは、紛争になる前から、双方の義務履行状況がわかるように議事録をつけておくことが重要になのです。


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