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会社の業務連絡が「LINE」で送られてくるんですが労働基準法の違反になりませんか?【2023年3月加筆】

IT企業のための法律

 個人のスマホに、会社の業務連絡が…

個人のスマホなのに、会社の業務連絡が「LINE」で次々やってくる…。

私物のスマートフォンであるにもかかわらず、会社の指示でLINEのグループに入らされ、時間を問わずに上司から連絡がやってくる…そんな悩みを持っている人が増えているそうです。

このような形で、プライベートなLINEアカウントに業務連絡が送られてくる状態に法的な問題はないのでしょうか。

「迷惑だから、やめてください」と会社にやめさせることはできるのでしょうか?

勤務時間内の場合、違法とはいえない

勤務時間内の利用ついては、私物のスマートフォンを使用させたとしても、基本的に違法とまではいえません

私物の携帯電話への業務連絡が違法とはいえないことと同じで、プライベートなLINEアカウントに送信しても、違法とはならないのです。

今回の問題とは直接関係ないですが、企業側としては、管理が行き届かない私物のスマホでの連絡による情報流出のリスクは考慮しておく必要があります。

連絡を強制した場合には、労働時間の規制が及ぶのか?

勤務時間外の場合は、労働時間としてカウントされるのかどうかという疑問があると思います。

この場合、労働基準法上の労働時間とは、使用者(上司)の指揮命令下にある場合をいいます。

LINEで業務連絡が届くことにより気分的に拘束感が生じたとしても、基本的に自由に行動できる状況であれば、使用者の指揮監督下にあるとはいえず、労働時間にはカウントされないのです!

勤務時間外に常時LINEのメッセージを受信できる状態にすることや、受信した場合に返事を送ることを義務づけた場合には、法定の労働時間規制が及ぶのでしょうか?

この場合には、受信送信の頻度・状況にもよるので、一概にはいえないのですが、あまりに頻繁に送信するようであれば、労働時間規制が及ぶことも考えられます。また、一定の手当の支払いを求めることが可能な場合もあるのです。

勤務時間内も勤務時間外も、違法性はない…とは言い切れない!

時間外にあまりにも頻繁にLINEに業務連絡が来る場合には、、在宅勤務として労働時間規制などの対象になる可能性もあります。また、過度の負担を強いて労働者の心身の健康を害した場合には、会社の安全配慮義務違反の問題が生じることもあるのです!

企業としても、勤務時間外に私物へのスマホへの連絡を頻繁にすることは、避けるべきなのです!