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ユニクロ「UTme!」騒動に見る 正しい利用規約の作り方

ユニクロ「UTme!」騒動

5月19日、ユニクロが、オリジナルTシャツ作成サービス「UTme!(ユーティーミー)」発表しました!
これは、いつでも、どこでも、スマートフォンやタブレット端末とアイディアさえあれば、
簡単にオリジナルTシャツを作ることができるアプリケーションサービス!

しかし…この新サービス…リリースわずか一日で、
利用規約を変更するはめになってしまったのです。
なぜかというと…利用規約に以下のような条項が含まれていたからです。

・ユーザーは、投稿データについて、その著作物に関する全ての権利(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含みます)を、投稿その他送信時に、当社に対し、無償で譲渡します。

・ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。

・ユーザーは、当社が実施する各種キャンペーン等に投稿データが使用されることに同意するものとします。

つまり、ユーザーが「UTme」で作ったオリジナルTシャツの著作権が、
全てユニクロに無償譲渡されてしまうという規定になっていたのです!
この利用規約に対し、ネットユーザーからの批判が殺到!
ユニクロは、わずか一日で「著作権は、ユーザーに帰属する」という規約に変更を余儀なくされました…。
(参照URL)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/05/20/uniqlo-utme-change_n_5355938.html

利用規約、法律的には問題ない!…だけど…

当初の「UTme!」の利用規約も、全く違法ではありません。
以前、このブログ記事でも書きましたが、ユーザーの著作物を事業者が利用したい場合には、
必要な条項になります!
「SNS」と「利用規約」ブログ記事は、コチラ

しかし…法律に違反していなければ、何を書いてもいいというわけではないのです!
これも以前のブログ記事に書きましたが、ユーザーからしてみれば、
自分が作ったものの著作権が、全部事業者に持っていかれるなんて、気分がいいものではないはず!
「利用規約」と「都合のいい男」~利用規約の落とし穴~のブログ記事は、コチラ!

利用規約~法律とユーザーとの狭間で~

私が、利用規約を作成するときに意識すること…それは、法的に違反していないことは当然として、
この条項を記載したら、どういう影響があるかということ。
法律面だけではなく、事業的な観点から、どういう影響が生じるのか、この両面を常に意識しています。
いくら法律面では正しくても、営業・事業的な観点から見て、NGであれば、
そんな利用規約は役に立たないのです!
利用規約を作成するときは、法律面と事業面の両方を意識するようにしましょう!