IT法務・AI・暗号資産ブロックチェーンNFT・web3の法律に詳しい弁護士|中野秀俊
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IT・ウェブ企業専門弁護士が語る「利用規約を作成した後の同意の取り方」

せっかく作った利用規約が無効になってしまう!?

ウェブサービスに必須の利用規約ですが、よくこんな質問を受けます。

「利用規約を作成して、サイト上に掲載しておけば、効力があるんですよね!?」

はっきり言いますが、それは間違いです!利用規約は作っただけでは、有効になりません。せっかく作った利用規約がユーザーとの関係で無効になってしまうかもしれないのです!

利用規約は、ユーザーに明示して、同意を取る

利用規約は、単にウェブサイトに掲載しただけでは、ユーザーとの間で有効になりません!というのも…ユーザーからきちんと同意を得る必要があるのです。利用規約には、ユーザーに不利なことが書いてあるから、ユーザーに見せたくない!というのは通用しません!

ユーザーに利用規約を見てもらったうえで、同意してもらう必要があるのです!

利用規約への同意取得方法とは?

では、事業者としては、どのように利用規約の同意を取ればいいのでしょうか?事業者として考えなければいけないのは、

  1. 利用規約の表示方法
  2. ユーザーからの同意の取得方法

です。それでは、具体的にどういう方法があるのでしょうか。

一番明快なのが、

① サービス申込時に、利用規約を全文表示
②「利用規約に同意する」チェックボックスにチェックを求める。

といった方法です。

利用規約に同意する

参照元:電子申請・届出サービス

きちっと利用規約の全文を表示し、ユーザーからの同意を得ているので、同意を取得する方法としては、確実性が高いです。

しかし…このパターンでは…

  • ユーザーが長い利用規約にうんざりしてしまう
  • スクロールやクリック数の多さに嫌気がさして、申込みから離脱してしまう

ということが考えられます。

そこで、
①利用規約を一部分だけを表示して、スクロールさせる方法
②利用規約へのハイパーリンクにより、利用規約にアクセスできるようにしておく方法

この方法であれば、利用規約の記載に興味がある人にも配慮しながら、利用規約にあまり興味がないユーザーには、簡単に利用規約に同意を取得することが可能です。

このようにウェブサービスは、規約や規定を作成して終わりではなく、どのように表示するのかというのも非常に大事なってきます。

  • 「利用規約をどこに、どのように表示させるのか」
  • 「プライバシーポリシーの掲載場所は、どこにするのか」
  • 画面遷移はこれでいいのか

など、ウェブサイトの構築の段階で気を付けるべき点がたくさんあります。
後で問題が起こらないウェブサービス、ウェブサイトを作成するようにしましょう!