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位置情報を利用したアプリで住宅地に人が押し寄せたときの法律問題を弁護士が解説。

アプリ開発&トラブルの法律

位置情報サービスの法的責任とは

昨年、流行したPokémon GOに代表されるような位置情報を利用したウェブサービスにおいては、実際の地図上のデータに、キャラクター等を出現させることによってイベントを発生させたり、店舗上にお得なクーポンを表示させたりすることがあります。

このイベントやお得なクーポンを求めて、プレイヤーが実際の場所を移動するということが起こります。

このイベント発生地点は、通常は公園や公共施設又はそのウェブサービスと提携した店舗などが多いですが、中には一般の住宅などがイベントの発生として指定されることも稀にあります。

そうすると、当該住宅の住民は、プレーヤーなどが押し寄せてきて、日常の平穏が害されることになります。このような場合、位置情報サービス事業者としては、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

位置情報サービス事業者は住民などに責任をおうか

位置情報サービス事業者としては、あくまでもウェブサービス上の地図に、イベント等を発生させているだけです。

よって、位置情報サービス事業者自身が、現実の住宅について物理的な行動や侵害をしているわけではありません。

あくまで、プレイヤーが行った行為によって、平穏な生活を害されているので、その責任は、プレイヤーが負い、位置情報サービス事業者には直接関係がないとも言えます。

しかし、多数のプレーヤが押し寄せる原因となったのは、位置情報サービスのせいでもあります。

この点、第一種低層住居専用地域におけるスーパー銭湯の建築差し止めを認めた事案では、スーパー銭湯に来場する客の車両等の騒音について、近隣住民の受任限度超えるとして、スーパー銭湯の建築差し止めが認められました(名古屋地方裁判所平成9年2月21日判決)

この事案では、スーパー銭湯自体の騒音ではなく、そこに来場する客の車両等の騒音理由として、建築の差し止めが認められたという点が注目すべきです。

この例からすると、住民から位置情報のウェブサービス事業者に対して、当該住宅をイベント発生の発生ポイントから外すような請求も認められる可能性があります。位置情報サービス事業者としては、その点も踏まえ、サービス設計をする必要があります。

位置情報サービスと個人情報保護法の関係

スマートフォンでの位置情報については、それ自体では一般的に個人を特定できないことから、個人情報保護法の個人情報とは言えません

ただし長期間網羅的に収集記録した場合については、場合によっては個人が特定可能となる場合もあるとされています。

利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会 スマートフォンプライバシーイニシアチブ

そうすると、位置情報サービス事業者としては、プレーヤーの位置情報については、個人情報として扱うと考えた方が良いでしょう。

また位置情報サービス事業者は、位置情報の第三者提供について、個別かつ明確に利用者から同意を取得すべきであるとされています。

総務省(緊急時等における位置情報の取り扱いに関する検討会報告書、位置情報プライバシーレポート)

事業者としてはプレーヤーの位置情報や移動履歴について、マーケティングデータとして第三者に提供するといったことを行う場合には、個別にプレイヤーの同意が必要になります。

位置情報事業者としては、プライバシーポリシーなどで、第三者提供する旨の記載等が必要になります。


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