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【企業のための民法改正講座】個人で保証人になるためには新たな手続きが必要って本当ですか?

取引先の会社の社長から、事業上の債務について、保証人になることを頼まれました。 私は、この社長には恩があるため、言われるがまま、差し出された契約書に判を押してしまいました。 この保証契約は有効なのでしょうか?

個人で保証人になるために、新たな手続きが必要

上記の事例は、現行の民法では有効になります。しかし、気軽に保証人になってしまい、大変なことになってしまった人が続出してしまったことから、民法改正によって、個人で保証人になるには、一定の手続きが必要になります。

事業のために負担した貸金債務を保証するためには、契約締結に先立ち、 その締結の一ヶ月前以内に公正証書を作成することが必要です。公正証書の内容は、保証人になろうとする者が、 保証債務を履行する意思表示をする内容になりあす。

この公正証書を作成しないと、保証契約の効力は生じないとされています。

公正証書を作成する方式は?

公正証書の作成には、どういう手続きをしないといけないのでしょうか?

これには、 ①主たる債務者の債権、元本、利息、違約金等、債務者が支払わないときには、債務全額について履行する意思を有していることを公証人に口授する

②公証人が口授した内容を筆記し、保証人に読み聞かせ、閲覧させ、筆記が正確なことを確認して、署名押印という手続きが必要になります。

保証人になるには、結構面倒な手続きが必要になりますので、債権者は注意が必要です。

保証契約の民法改正…例外規定も

上記のような手続きは、以下の1、2を満たす場合には適用されません。

  1. 主たる債務者が法人
  2. 取締役などの経営者or株式の過半数を持っているオーナー
    つまり、自分が代表やオーナーを務める会社について、自ら保証人になる場合には、上記手続きはいらないことになります。 このような場合には、今まで通り、契約書に署名捺印をもらえればいいのです。