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ITに詳しい弁護士がPokémon GOの「サービス利用規約」を徹底解説!

アプリ開発&トラブルの法律

話題のPokémon GOの利用規約って、どうなっているのだろう?

Pokémon GO、すごい話題ですよね。街中には、スマホを見ながら、うろうろしている人たちが、たくさんいます。私も、やっていますが…面白い!!

アプリをインストールした方なら、分かると思いますが、「利用規約」に同意したと思います。

えっ!?そんなもん、Pokémon GOを早くやりたいから、全く読まずに、同意してやったぜぃというあなた!
はい、健全だと思います。普通、じっくり利用規約なんて読んでいる人はいません(^^;

しかし!利用規約は、事業者とユーザとの間の契約書の代わりになるもの。トラブルになったときには、利用規約の記載がよりどころとなります。そこで、皆さまの代わりに、Pokémon GOの利用規約を読んでみました!

準拠法はカリフォルニア州法

Pokémon GOは、Niantic, Incというアメリカの会社が配信しています。

そして、日本だけでなく海外でも配信されています。このようなサービスの場合、何かトラブルがあったとき、どこの国の法律によって、判断されるのでしょうか?

これを「準拠法」といいます。この準拠法は、当事者が契約(利用規約)によって、自由に決められます。

今回のPokémon GOの利用規約を見ると、以下のような記載があります。

本規約及び本規約に関連するいかなる行為も、抵触法を考慮することなく、カリフォルニア州法に準拠するものとします。

つまり、ユーザーが事業者とトラブルになって争う場合には、カリフォルニア州法が適用されます。

日本のユーザーが、Pokémon GOをプレイしていて、事業者とトラブルになったとしても、日本法は適用されないということです。

事業者とトラブルになったときには、裁判所に訴えられない!?

では、事業者とトラブルになったときに、どこに訴えることができるのでしょうか?通常はトラブルの解決と言ったら、「裁判所」ですが、どこの裁判所に訴えるのでしょうか?

Pokémon GOの利用規約を見ると、仲裁合意の規定があります。

仲裁合意とは、裁判所への訴訟に代えて、紛争の解決を仲裁人に委ねることを約束する当事者間の契約です。仲裁人をどう選ぶかも、当事者間の合意によって、定めることができます。

仲裁手続によってなされる仲裁判断は、裁判上の判決と同一の効力を有し、たとえその仲裁判断の内容に不服があっても、その内容を裁判所で争うことはできないとされるものです。

つまり、ユーザーは、事業者とのトラブルがあり、裁判所に訴えようと思っても、まず仲裁手続をしなければならないことになります。

裁判所で訴えようと思ったら、事前の通知が必要

こんな仲裁合意なんて、いやだ!トラブルが起こったときは、裁判所に判断してもらいたい!という方は、利用規約に以下のような規定があります。

お客様が本規約を最初に承諾した日から30日以内に、その旨を当社に対して書面にて通知した場合(電子メールの場合は termsofservice@nianticlabs.com 宛に、又は通常の郵便の場合は2 Bryant St., Ste. 220, San Francisco, CA 94105宛に)(かかる通知を、以下「仲裁オプトアウト通知」といいます。)、お客様はかかる紛争を提訴する権利を有することとなります。お客様がかかる30日の期間中に当社に対して仲裁オプトアウト通知を行わない場合…お客様は、お客様による紛争提訴の権利を、故意にかつ意図的に放棄したものとみなされます。

つまり、規約に同意してから、30日以内に通知しないと、事業者との紛争を裁判所に提訴できなくなり可能性があります!

裁判所へ提訴したい方は、今すぐ通知を、事業者へGO!!

日本の裁判所へ提訴できる?

では、日本のユーザーが、上記通知を送ったとして、日本の裁判所に提訴できるのでしょうか?これは、裁判管轄の問題です。

これについて、利用規約では、以下のように規定されています。

知的財産保護措置、又はお客様が期限までに当社に仲裁オプトアウト通知を行った場合の専属裁判管轄権及び裁判場所は、カリフォルニア州北区に所在する州及び連邦裁判所とし、本規約の当事者はそれぞれ、かかる裁判所の裁判管轄権及び裁判場所についての異議申立てを放棄します。

つまり、日本の裁判所には提訴できず、事業者を訴える場合には、カリフォルニア州北区の裁判所に起こす必要があるのです。

ユーザーが提供したコンテンツの著作権は、どうなる?

Pokémon GOのユーザが、サービス内で投稿又は発信したコンテンツについて、著作権などの知的財産権は、誰に帰属するのでしょうか?この点、利用規約は、以下のような規定があります。

本サービス及びコンテンツの運営管理並びにお客様及びその他の本アカウントの保有者への本サービス及びコンテンツの提供に関連して、お客様のユーザーコンテンツを使用、複製、修正、派生物の創作、公に展示、公に上演、及び配布するための非独占的、永続的、取消不可能、譲渡可能、サブライセンス可能で、世界的かつ無償のライセンスを当社に付与します。

これは、ユーザーコンテンツ(ユーザーが投稿したコンテンツ)について、「本サービス及びコンテンツの提供に関連して」、事業者側に知的財産権の使用許諾の付与が強制されているということです。

「本サービス及びコンテンツの提供に関連して」というのが、どこまでか明確ではありませんが、もしかすると、ユーザーコンテンツが、事業者に二次利用されることにより、事業者のマネタイズのために使われる可能性もあります。

事業者が利用規約を変更する場合には、どのような手続きが必要?

事業者が、利用規約を変更する場合に、利用者には手続きを踏むことになるのでしょうか?利用規約では、以下のような記載がなされています。

本アプリに修正後の本規約を掲載するか、又はその他の伝達方法により、お客様にお知らせします。お客様は、当社が修正後の本規約を本サイト若しくは本アプリに掲載するか、又は、その他の方法によりお客様に修正後の本規約を伝達した後に本サービスを利用し続けた場合、修正後の本規約に拘束されることに同意する意思を当社に示すこととなりますので、当社が本規約を修正するたびにお客様が本規約を見直されることが重要です。

これを見ると、事業者側から、ユーザーに利用規約が変更したなどの通知はないとのこと。自己責任で、修正後の利用規約を見てくださいということが記載されています。

日本のウェブサービスでは、利用規約変更の場合、メールリングリストで配信、ウェブサイトで表示などの方法で通知されることが多いです。

これは利用規約を通知せずに変更しても、変更が無効の場合があるからです。

ポケモンGOは、世界的なサービスでユーザーは、何千万人、何億人にも及ぶ可能性があります。そのため利用規約の改定という手間はしていられれないという事業判断が表れています。

利用規約は、知らない間に色々なことが書かれている

利用規約は、読んでいない人が多いと思いますが、読んでみると、色々なことが記載されています。

利用規約を読むと、その事業者がユーザーに対して、どのような態度で接しているのかが、垣間見えるかもしれません。


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