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グローウィル国際法律事務所
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ウェブの法律に特化した弁護士から見る スクエニ「ハイスコアガール」の著作権侵害問題vol.2

Ⓒマークって、何?

前回、スクエニの著作権侵害問題を例に、他者のコンテンツ使用についてお話しました。
ウェブの法律に特化した弁護士から見る スクエニ「ハイスコアガール」の著作権侵害問題vol.1

この件で、「ハイスコアガール」単行本の巻末には、ⒸマークとともにSNK社の名前が他の複数のゲーム会社とともに記され、あたかも許諾を得たような表示になっていたようです。
では、そもそも…このⒸマーク
一体どういう意味があるのでしょうか?

著作権保護のために登録はいらない!

日本の著作権法では、著作権保護を受けるために特別な手続きを必要をしていません!
思想又は感情を創作的に表現したもの(「著作物」の定義)であれば、登録をしなくても、 著作権法上の保護は受けられるのです(これを「無方式主義」といいます。)

じゃあ、Ⓒマークって、何のためにあるの?

では、書籍や画像にある「Ⓒ2014○○○○」とは一体なんなのでしょうか?
結論いうと…この表示、法的にあまり意味はないのです!
もともと、この表示…著作権の制度として登録や著作権表示をしなければ著作権の保護を受けられない国
(これを
「方式主義」)といいます。)においても、 Ⓒ表示さえつけておけば、その著作権を保護しますよ!
条約がありまして(万国著作権条約)。 この条約のために、付けられていたものなのです。
ただ…現在、方式主義の国は現在はごくわずかになっています。
なので、現在ではごく一部の例外的な国を除いてⒸ表示がなくても著作権保護が受けられます。

Ⓒ表示の意義とは?

では、Ⓒマークを付けている意味ってなんでしょうか?
それは…当該著作物に、著作権があることを積極的に知らせる役目があります。

つまり、ある作品を無断で使用する場合には、その作品には著作権があり、
著作権侵害になる可能性があることを使用者に警告することができます。
なので…使用者に知らせるだけなら、Ⓒ表示なくてもいいわけです。
例えば、「All Rights Reserved」でも問題ありません。

ただ、表示が著作権保護のために必要でないにしても、
著作権法上、名前が表示してあれば、そこに表示してある人が著作者であるという推定が働くという規定があります。
もちろん、著作者でないのに名前を表示したところで、「お前、著作者じゃないだろ」ってことが証明されてしまえば、
推定は覆されてしまいます。
なので、本当に自分の著作物であるものに対して、自分の名前を表示しておくのは、
一定の意味があるといえるのです!